「学校カメラマン」の多くは、卒業アルバムの編集も手がけています。
素材をたくさん集めるために、学校行事すべてに同行しなくてはなりませんが、その費用は…。
カメラの理光 河野芳廣 社長
「(旅費は)写真館持ちなんですよ。なので写真を販売して旅費を出さなくてはいけない部分があるので、少ない人数の学校にはカメラマンが派遣できない」
集合写真やスナップ写真を、保護者らに販売することで旅費を捻出するため、ある程度の売り上げがなければ、採算がとれません。
カメラの理光 河野芳廣 社長
「うちは(写真)L判130円いただいています。保護者からはちょっと高いなと言われることもありますね。生徒たちのいきいきとした表情をお父さんお母さんに見ていただければ」
このまま学校カメラマンが減り続けば、「卒業アルバム」が作れない学校が出てくるのではと河野さんは心配しています。
岩見沢緑陵高校です。20年前から、河野さんに学校カメラマンを依頼しています。
この日は、1年生の宿泊研修。河野さんも同行します。
生徒
「写真撮ってもらっていいですか?は~い」
生徒は、河野さんの姿を見るなり 駆け寄ってきます。
写真を見てみると、みんな、いい表情!実は、生徒の多くは、地元の幼稚園や小・中学校で河野さんに写真を撮ってもらったことがある、「顔なじみ」なんです。
女子生徒
「ずっと幼稚園から知っている方なので笑いやすい」
「卒業アルバムって3年間の思い出が全部詰まっているわけじゃないですか。すごい存在ですよ、偉大な存在です」
学校は一時期、料金の安さから、別の地域のカメラマンに切り替えたことがあります。 しかし…
岩見沢緑陵高校 黒島敏 校長
「河野さんの方がいいという声が強かったですね。子どものころから慣れ親しんでいる子が多いので笑顔が自然ですよね。(保護者には)価格だけではなく、価値観を認めてもらえるようにするしかない」
地元のカメラマンにしか撮れない表情があると、 再び河野さんに撮影を依頼しました。
カメラの理光 河野芳廣 社長
「素人の方でも全然撮れる時代になってきても、5年後、10年後、20年後に思い起こせるような写真を残せるのは、卒業アルバムしかないと思っていますので、われわれのように仕事としている人間が残していかなくてはいけないと思っています」