会長に聞く「なぜ22歳のアルバイト従業員を新社長に?」

 諸沢さんに白羽の矢を立てたのは、スカイスクレイパーの創業者であり社長だった西牧大輔会長(54)です。

 (山中アナ)「なぜアルバイトの22歳の方に社長を継いでもらおうと思ったんですか?」
 (西牧会長)「社長になってもらいたい人の要素というか、必要条件を書き出したんですね。信用できるとかうちの会社が好きやとか、嘘つかへんとか、ちゃんと頑張って現場で仕事をしてくれるとか。ずっと書き出して考えたときにこの人の顔があったんです」
 (山中アナ)「それは若さとか、社員かアルバイトかとかは関係なかったんですか?」
 (西牧会長)「それは書き出したときに出てこなかったです。何歳以上とか男性女性とか、なかったんですよね」

 とはいえ、アルバイトだった諸沢さんに圧倒的に足りなかったのは会社経営に関する知識。
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 (諸沢莉乃社長)「売り上げ目標を決めたりとか、食材費はどれくらいに抑えなきゃいけないとか、どういうことをしていかなきゃいけないよねというのを、数字がぐちゃぐちゃいっぱいあって、うわーってなりました」

 時には悔し涙を流し、西牧会長から「足りないところは皆で補えばいい」と励まされて、2年間の社長修業を受けました。

 社長就任後も、制服を着て一緒に働き、現場の課題を把握したり、経営会議ではるか年上の幹部らと意見を交わしたりしています。

 そんな諸沢新社長の誕生はすでに社内に新しい風を吹かせているようです。

 (西牧会長)「新卒の女性が2人、研修が終わったときに『おめでとうございます』って何かお祝いでプレゼント、僕やったら焼肉連れて行くんですよ。彼女はまつ毛パーマでした。その発想はないですよね。おっさんがおっさんにバトンタッチしても、現場は喜ばないんです」
 (山中アナ)「焼き肉が焼き肉になるだけですもんね」
 (西牧会長)「そうそうそう」