ラテアートだけではなく、「イラスト全般の話にもなる」と前置きした上で、「『赤ちゃん理論』と自分で名付けたもの。どうしたらかわいい絵を描けるかというのを自分で考えてたどり着いた」と話す。

高畑さんが考える「赤ちゃんの顔」は、「鼻筋が通ってないので、鼻から目の位置が近い。その分おでこが広がる」というバランス。その点を踏まえ「鼻があるラインから目をあまり遠く上の方に描かない。さらに目を寄るように鼻に近づけるとどんどんかわいくなる。ちょっとかわいさがないなと感じる絵も、このポイントを押さえるだけでかわいくなる」とアドバイスする。「それに、耳の形が丸ならクマ、縦に長いとウサギ、三角で猫になる」と「応用」編も。
坂戸で店を続けて14年。高畑さんが掲げるクレド(信条・行動指針)は、「瞬間感動」だ。「『感動瞬間』ではなく『瞬間感動』」と、言葉の順序が逆だと意味が変わってしまうという。「お客さまが入ってきた最初の瞬間や、メニュー表を見た瞬間、商品が出てきた瞬間……。その時の瞬間瞬間に、小さな感動を与えましょう、というのがうちのクレド」。
「cafe chocotea」では、ラテアートのほかにも、オリジナリティーの高いメニューが並んでいる。ご飯でかたどられたクマがルウに浸かる「森のクマさん」ならぬ「ハヤシのクマさん」と命名したハヤシライスや、顔の上にのせた「髪の毛」のパーツを取ると、つるんとした頭がお目見えし「坊や」に見えなくなるパンケーキ「ホットケーキ坊や!?」など。
店内に「妖精が住んでいる」と謳い、自身のことも「妖精代理」と語る高畑さんが大切にしてきた、「瞬間感動」のある店づくり。「ちょっとした気分転換や、人に『こういうお店があるんだよ』と伝えたくなるような感覚で来てもらっている。今は皆さんSNSで『予習』されて来られるので、それよりもちょっと上の『わっ、実物ってすごい』みたいなものも意識して大事にしていきたい」と笑顔を見せる。