Q.今後の久保選手の可能性は?
野口監督:記録を設定というのはあまりしたことはないんですけれども、高校記録(2分02秒57)、そして2分00秒という2分の壁を破って、またそれ以上のレベルにもいってもらいたいと思っています。彼女の中で限界を作ってほしくないので、自分の感覚で今日よりも明日、1年前よりも今年、(それ)がまた来年(も)っていう。自分のタイム設定じゃなくて、自分の走りの感覚を研ぎ澄ましていってもらいたいということで。タイムを決めちゃうと、どうしてもそのタイムを越えなくてはならんとか、今日が良い悪いっていうのははっきりするので、あまりタイム設定をせずに自分の感覚で走ってもらうということを日頃やっています。
スピードとそれから持久力を兼ね備えたスピード、持久力が他の選手よりもあるのかなと感じています。今後100mでいうと、多分12秒台後半で、400mは53秒台では走れる力はあると思います。長距離のようなペース走であったり、また短距離のような短い距離でということを、今まであまり長距離選手がやっていないような練習を組み合わせてやっています。彼女はスピードを生かしていきたいというふうに思っているので、長い距離だけをずっと走ってラストスパートとかという練習ではなくて、短距離の練習の要素も入れていくようなことで、両方いいとこを取って練習の内容というのは組み立てています。
久保が掲げる「座右の銘」
久保:「楽しむ」事と「今出せる全力を出す」そういう部分は大切にしているところです。記録だけでなく、自分が伸びやかに走るという部分で、記録だけにこだわらない。記録はあまり気にしていないです。
Q.周りからも注目される事については?
久保:今日という日を境にそういう立場になってきたのは感じるんですけど、それで終わるのではなくて、他にもっと頑張らないといけない部分や課題点があるので、そういう部分はこれから頑張っていこうと思います。今年はワールドランキングに入る事も大切で、パリ五輪を狙っていきたいと考えています。今回の大会ですごく自信になったので、日本選手権に向けて、練習にしっかり取り組んで優勝という部分を目指して頑張りたいと思います。
■久保凛
2008年1月20日生まれ、和歌山・串本町出身。潮岬中~東大阪敬愛高。小学6年生までは、サッカークラブに所属し、中学から本格的に陸上競技を開始。3年時には、全日本中学陸上競技選手権大会の女子800mで優勝。昨年8月のインターハイでも1年生ながら女子800mでNo.1に。自己ベストは今年3月にマークした2分05秒13。5月3日に行われる静岡国際陸上にエントリーしている。サッカー日本代表の久保建英はいとこ。