昭和36年(1961)5月、荒尾市の有明小学校で行われた「かにの花」づくりの映像です。

「かにの花」はカニを使った塩辛の一種。有明小学校で考案され、先生生徒たちの手でカニ捕りから加工・販売まで行われていました。たいへん人気の商品で県外からも注文が入っていたようです。当時ニュースはこう伝えています。「荒尾市有明小学校で今年も名産「かにの花」づくりが始まりました。この「かにの花」は小さなカニをすり潰して作る塩辛の一種で、海水浴客へのお土産品として加工・販売をはじめて以来、今年でもう10年目。

校庭に集まった生徒達はバケツやカゴを持って近くの有明海へ出かけました。「かにの花」の材料になるのは5センチ足らずの小さなメダカガニ。



生徒たちは元気に干潟を走りまわって次々に獲物を捕まえます。

捕れたカニは学校の給食室へ集められ、6年生の女子が中心になってきれいに水で洗います。このあとカニ1300gに塩400g・唐辛子50gを入れて、すり鉢で粉々になるまですり潰すと「かにの花」が出来上がります。

その後しっかり漬け込んで、美味しい味が出るのを待って小さな壷に詰め、ひとつ80円で売り出されます。

最近は東京や大阪方面の愛好者からの注文も舞い込むということで、学校では生産が間に合わないと嬉しい悲鳴を上げています。」

有明小学校での「かにの花」の加工・販売は昭和42年(1967)まで続けられました。(参照:荒尾市立有明小学校ホームページ・学校の沿革)