58年とことん地域に密着

およそ400メートルの間だけでも3つの書店が建ち並んでいた一番町エリア。しかし、施設の老朽化や、店主の高齢化に伴う後継者不足、最近は電子書籍の台頭で街の書店を取り巻く環境は厳しさを増しています。

仙台在住の歴史研究家 木村浩二さん:
「仙台の文化の灯火が一つ消えるなと、大げさに言うと」

他の店舗が閉店するなど時代が移り変わる中でも一番町で長らく営業を続けてきた金港堂。店の1番の魅力は、地元出身の作家の書籍を積極的に扱うなど、地域に密着した店づくりでした。

仙台在住の歴史研究家 木村浩二さん:
「大手の本屋さんでは扱わない、あまり売れ筋にならない本も、金港堂ならではの売れ筋で並ぶので、これを見るだけでも仙台の街の状況が少し垣間見えるようで、おもしろい」

執筆活動もしている木村さん。店頭の売り上げランキングに自身の本が並ぶこともありました。

仙台在住の歴史研究家 木村浩二さん:
「ここに並ぶと誇らしいです。仲間と来て、自分が書いた本が並んだらここで写真を撮ったりした」

街並みが変わる中で1ページ1ページ仙台の歴史や文化を伝え続けた「街の本屋さん」4月30日に惜しまれつつ、歴史に幕を下ろします。