事故の瞬間は「どっちが前、どっちが後ろかわからない感じで飛ばされた」

――増田和代さんは当時35歳。3両目に乗っていて事故にあった。当時の様子を振り返る。
「遠心力のまま、身を任せたみたいな感じ。180度まわってるので、真ん中あたりに乗っていたと思うんですけど、どっちが前、どっちが後ろかわからない感じで飛ばされた。飛んだ瞬間はわからないんですが、1秒たたないくらい、次に思ったことは、仰向けになっていて、下にも人がいるっていう感覚。足がねじれた状態で30人くらい降ってきているので、(腰の)圧迫骨折と、靭帯が伸び切った感じになった」
「1日たりとも忘れたことない、本当に忘れられないです。何かをするたびに、はじめのうちは、『お金が欲しいからや』とか、誹謗中傷ばかりでつらかった。そういうのじゃなく、みんなを同じ目にしたくないっていう、素直な気持ちだけ。」
――そして、こういう気持ちで犠牲者に祈りを捧げたという。
「19年経ったんですけど、安心安全な世の中になりましたから、安心してお休みください、なんて到底言えない。いつになったら言えるかわからないですけど、『あなたたちは伝える口がないから、私たちが伝えていくしかないんで、頑張りたいと思います』力を貸してください。」














