■重労働を世の中からなくしたい

まるでアニメやゲームの世界から飛び出したようなヒト型ロボット「零式人機バージョン2.0」。高所作業車の先にロボットの上半身が搭載されている。人の力を80倍に増幅させ、重い鋼材を簡単に持ち上げることやおもちゃのブロックを組み立てる繊細な作業もできる。どのような仕組みで動くのか。
人機一体 社長 金岡博士:
特徴は人が操作しているということです。この動きはいわゆる AIの 自動制御で行われているのではなく、基本的にすべて人が直接操作し、直感的に自分の体の延長のように扱えるロボットです。

操縦はロボットの両目のカメラ映像をVRゴーグルで確認しながら行い、初心者でもわずかな時間で操縦できるようになる。開発の理由は?そして、なぜヒト型なのか。
人機一体 社長 金岡博士:
我々が目指す理想が、世界からフィジカルな苦役(重労働など)を無用とするというところにあります。物理的身体的な苦痛を覚えるような労働を世の中からなくしたいのです。
ヒト型をしている方が、人が直感的に操作するには合理的だという技術的理由があります。まさに自分の拡張身体として自分の思い通りに動いてくれると。人を超える能力を発揮する一つの適切な形として、高所作業車にロボットの上半身がついているという形を選択しました。
■2024年春の実用化を目指す―JR西日本「事故回避」「作業効率化」

JR西日本は2024年春の実用化を目指し、「零式人機」を鉄道工事現場に投入している。架線の保守点検作業には感電や転落などのリスクがある。そこで、人の代わりにロボットが高所作業を担うことで労働災害を減らすだけでなく、作業時間の短縮や人手不足の解消にもつなげようとしている。
人機一体 社長 金岡博士:
これまでは恐怖を覚える、苦痛を覚える苦役でしかなかった作業が、このロボットを使うことによって楽しい作業に変わる。多くの人たちがしんどい作業を嫌々やるのではなく、楽しい作業に誇りを持って従事してほしいと思います。