震度7が襲った 旧・川口町

2004年10月の中越地震では、地域全体で8割近くの住宅が全半壊し、6人が亡くなりました。

農家民宿「木沢ハウス」を営む平澤勝幸さん(73歳)の実家も被災し、元通りの生活に戻るまでに長い時間がかかったそうです。

「土砂崩れで木沢は孤立して、一週間くらい人が来られなかった。出入りができなくて。住民が重機を使ったりして、村の人だけで自ら道を開けて…」

138人だった人口が42人になったばかりか、高齢化率も74%と深刻です。

それでも平沢さんは下を向いてはいませんでした。

「人を呼び込む。人口が少なくなるから、少しでも出入りが多くなれば、また元気が戻るんじゃないかと思って」

もう一度この場所に元気を取り戻したい…。
その思いで地域の人たちが企画したのが、20日に開かれた『そばの会』です。

ふるまわれたのは、「手打ちそば」と木沢で採れた「山菜の天ぷら」。
内外から訪れた230人が、山のごちそうを味わいました。

【新潟市から】
「うまいね、おいしい。そばはいろいろ食べているけど、ちょっと違うね」
【新潟市から】
「素朴だけども、天ぷらがおいしいからそれにつられて余計にいっぱい食べた」【ベトナムから】
「きょう初めてそばを食べた。とってもおいしい」

「木沢そば」は、あえて歯ごたえを残した食感と、その香りが特長です。
川口地域では、主に木沢を含む3つの集落にそば打ちをする団体があり、『川口そばネット』としてつながりながら、種まきから販売までの全てを手がけています。

実は、その始まりとなったのも20年前の中越地震でした。