年金制度に不信感 現役世代は負担増

藤森キャスター:
年金制度に対する不満、不信感の声もあります。1990年は65歳以上を現役世代5.8人で支えているということでしたが、2025年になると2人で1人を何とか支えようと、年々かなり負担が増えています。

小川彩佳キャスター:
若い世代の不信感や不公平感というのは、理解できる話でもありますし、あてにしていないという方もいらっしゃるみたいですけれども、かなり世代間ギャップもありますよね。

ジャーナリスト 澤 康臣さん:
当然、不信感や不満があると思います。ただ気をつけないといけないのは、「現役世代VS高齢者」みたいな、世代間の「敵か?」「味方か?」「どっちの味方?」「何のため?」というのは非常に大切な議論だと思います。これは打倒するかされるかみたいな折り合いをつけないと議論が回らないのに、ちゃんとした議論ができなくなってしまう。私たちの伝え方や、政治の議論の仕方も問われているのではないのかなという気はします。

小川キャスター:
家族のあり方というのも今変わっている中で、その観点からも考えていかなければならないことがありますよね。

ジャーナリスト 澤さん:
4月19日から3日間、性的少数者の方々の取り組み「レインボープライド」がありました。家族の形、そういうものも含めて大きく変わっています。昭和の時代には考えられなかった大きな変化ですよね。考え方も含め、その時代から我々はもう卒業していないといけない。誰か1人にもし何かあっても、「サザエさん」のような大きい家族だったらみんなでできたかもしれない。今は2人レベルの世帯。そうすると1人が何かあったらじゃ済まない。社会全体で支えるというふうに、急いで切り替えていかないといけないところなのだと思います。

小川キャスター:
ただ、実際今の年金制度は既につぎはぎ状態になっているという感覚があります。さらに、制度の変更があって、この後も制度がどこかで変わっていくことがあるかもしれないことを考えますと、実際現役世代が年金を受け取るときの支給額はどうなるのか。言われている通りの額を本当に受け取ることができるのか。皆さん不安に思われていると思うんですけれども。

社会部 岡村 記者:
どんどん制度も複雑になっているという部分もあると思うんですけれども、今回試算をする65歳までの延長についても、現役世代の受け取る額が減らないようにするということが根幹にはあります。延長をしないと、将来的には3割ほど基礎年金の給付が減るという試算もありまして、どうにか今の給付水準を保つためには、何か制度をいじっていかないといけないという局面にはあるわけですよね。

藤森キャスター:
何となくやらなきゃいけないこと、その大義とか狙いはわかるんですけれども、でもこのモヤモヤとした不信感がある中で政治と金の問題もあって、まともに説明をまだ受けていないような気もしていて。

ジャーナリスト 澤さん:
そもそも制度が、増築・改築を重ねた建物みたいになっていて、よくわからない。わからないものにお金を払うってのは怖いと思うんですよね。しかも今、問題になっているのは「政治と金」、つまり裏金です
。嘘をついているわけですよね。そうなるとまさに不信です。そこに自分たちの大切なお金を払ってくれという議論は本当になじまない。つまり、透明で情報を開示してわかってもらう。メリット、デメリットも含めて包み隠さず説明するということが、最初の一歩なのではないかなという気がしています。

小川キャスター:
制度設計、そして説明で不信感を払拭してほしいですよね。

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岡村仁美 記者
TBS報道局社会部 厚生労働省担当
双子の育児をしながら子育て関連のニュースを取材

澤 康臣さん(ジャーナリスト)
早稲田大学教授 元共同通信記者
パナマ文書報道など数多くの調査報道を行う