95歳になって参加したパレード

そして4月21日。
95歳になった長谷さんは30年以上の時を越えてパレードに参加した。
性的少数者の象徴である虹色の旗を掲げながら東京・渋谷を車椅子で行進。
沿道で声援を送る人たちを見て「こんなに多くの人が理解してくれてるんやな」とつぶやきながら、笑顔で旗をはためかせた。
この日は過去最高の約15000人がパレードに参加したという。
長谷忠さん
「僕が大阪でデモをしたときは若い人ばっかりやった。でも今日は中高年のゲイが多いことにびっくりした。仲間がたくさんいることがわかった。初めてこんなにたくさんの人を見た」
人生初の上京 「薔薇族」を作った男性と初対面

長谷さんはパレードの前日、東京・中野区にある映画館、ポレポレ東中野で自身が主人公のドキュメンタリー映画「94歳のゲイ」の初日舞台挨拶をした。
つらい日々を救ってくれたゲイ雑誌「薔薇族」元編集長・伊藤文学さん(92)も登壇して、長谷さんに花束を贈った。
長谷忠さん
「ゲイの生き方をこの人(伊藤文学さん)から学んできたんよ。薔薇族があったおかげで、僕の一生がある。この人のおかげよ」
伊藤文学さん
「こんな催し物をしてくれたことに、感激しております。長生きしてよかったと思います。そして薔薇族がゲイの人たちの心の支えに少しでもなれたことを今でも感謝しています」
長谷さんは満席の観客に向かって笑顔で話した。
「みんなこれからも元気で、長生きするんやで」
(毎日放送報道情報局 吉川元基)