「未来は自分たちで責任持ってつくっていかないといけない」
今年2月下旬、石黒教授は東京にいました。会議室に運び込まれるのは万博で使われる3体のアンドロイドです。6か月間、万博会場で動かすため耐久性を高めました。人間の表情や動きをどのアンドロイドでも同じように再現することに苦労したと話します。
(アンドロイドを製作したエーラボ 廣嶋まいさん)「3体を全く同じ動作にしなければいけないのが初めての取り組みで。例えば口角の引き具合は、同じ信号を送っても同じように動作するかはやってみないとわからないので、3体を並べて調整したのが大変でした」
(大阪大学 石黒浩教授)「コンピューターのプログラムで動かせばめちゃめちゃなめらかに動きます。今度は万博のシナリオに合わせてみんなが感動できるような動きをつくれたらと思います」
半世紀ぶりに大阪で開催される万博。石黒教授は急速に技術革新が進む今だからこそ万博の意義は大きいと強調します。
(大阪大学 石黒浩教授)「50年前はまだ科学技術で豊かになりたいという時代で、人間が将来どうなるのかとか、環境がどうなるか、世界がどうなるかはあまり考えてこなかったわけですよね。それが50年経って、遺伝子で人間を設計する技術を手に入れたり、地球の環境を守ることも破壊することもできるような強大なエネルギーの技術を手に入れる。未来は神様に聞いてつくるものではなくて、自分たちが責任持ってつくっていかないといけないわけであります。そういった機会を与えてくれるのが万博だと思っております」