“50年後の社会を体験できる展示”を準備する石黒浩教授

 今後、世界はどうなるのか、未来の一つの姿を表現したパビリオンの準備も進んでいます。

 「万博では科学技術の進化により、未来の人間の姿や社会の変化を具体的に体感してもらい、来場者に未来に向けた夢を持ってもらいたいです」

 こう話すのは日本のロボット工学の第一人者である大阪大学の石黒浩教授が開発中の最新のアンドロイド『ジェミノイドHI-6』です。

 石黒教授は万博で「いのちを拡げる」をテーマにしたパビリオンをプロデュースしています。アンドロイドと暮らすのが当たり前となっているであろう50年後の社会などを体験できる展示を予定しています。

 (大阪大学 石黒浩教授)「万博は未来を考える非常に大きなチャンスなんですよね。万博の先に来る、例えば30年40年50年後の未来をみんなでイメージを共有しながら、未来をつくっていく。それが万博の一番大きな役割だと思うんですよね」

 石黒教授はこれまで、介護の現場などを視察して課題を聞き取り、未来のあるべき姿を考え続けてきました。

 (施設運営法人の理事長)「自分たちのお昼ご飯を一緒につくっています。今日はハンバーガーです。現実的にこういう時間をとるって努力しないとなかなか。どちらかというとおむつを交換したりトイレの介助をしたり、そっちの方で精いっぱいになってしまう」
 (石黒教授)「対話ロボは入れていないんですか?」
 (施設運営法人の理事長)「まだ入れていないですね」

 こうした研究を基にしてつくるパビリオンの内容には多くの人が関わっています。50年後の世界にはどんな技術があってどんな世の中になるのか、協賛企業などと2年にわたって議論を交わし、それぞれが出したアイデアをパビリオンの製作に落とし込みます。

 (大阪大学 石黒浩教授)「ここまで内容を知ったら言いたくてしょうがなくなるでしょ。酒飲んだ時に絶対内容を言いたくなると思うんですけど、言わないようにお願いします。残り1年よろしくお願いします」