連日猛暑の夏休み。新型コロナの感染拡大で、お出かけは車でという方も多いようですが、この猛暑には、車についても注意が必要です。今回は、その注意点について、JAFの詳しい方に伺いました。
■炎天下に駐車で車内は50度!
まず、この猛烈な暑さの中、炎天下に駐車している車がどのくらい暑くなるのか、しっかり数値で知っておきましょう。教えて頂いたのはJAF愛知支部広報の杉山里帆さんです。
――炎天下に車を駐車しておくと、どれくらい暑くなるのでしょうか?
JAF愛知支部広報 杉山里帆さん:
実験を行ったのですが、外気温35度、晴天の状況下において、1時間で車内温度は50度を超えました。暑くなりやすいダッシュボード付近は、80℃近くまで、温度が上昇しました。
――やはり1時間駐車というのは怖いですね…
JAF愛知支部広報 杉山里帆さん:
実は、1時間もかからず、あっという間に温度が上がってしまいます。過去の実験の結果では、エアコン停止からわずか15分で、熱中症指数が危険レベルに達してしまったというデータもあります。短時間であっても、車内にお子様やペットを残していかないようにご注意いただきたいと思います。

たった1時間で50度、ダッシュボードは80度とは、さすがに驚きました!エアコンを切って、窓を閉め切った車の中の温度は、外の気温の上昇よりも、早いスピードで上がっていくそうです。ですから、気温が少し涼しくても、日が当たるところに停めれば、車内温度はすぐ上がってしまいます。とにかく、エアコンを切った車内には、人もペットも決して残していかないことですね。
■コロナ禍ならではの危険もある!
――その他、最近ならではの注意点などありますか?
JAF愛知支部広報 杉山里帆さん:
最近は、新型コロナ対策でアルコール消毒液を車内に置いている方も多いと思います。アルコール消毒液は、主成分がエタノールですので、気化して車内に充満すると、静電気や、たばこの火など、小さなきっかけで引火して爆発するなど、恐ろしい事故にもつながります。エタノールが気化するほど、温度が高くなってしまうことがありますので、特にこの夏注意していただきたいポイントです。
なるほど。今みなさん携帯していることの多い「アルコール消毒液」も大きな事故につながる可能性があり危険とのこと。車内には置きっぱなしにしないように、気を付けてください!
■5分で車内を冷やす方法は?
――では、その暑くなった車内を、素早く冷やす方法はありますか?
JAF愛知支部広報 杉山里帆さん:
まず初めに、乗り込んだ時にドアを何度か開け閉めして、反対側の窓から熱気を逃がすっていうことをやって頂くと、より早く冷やすことができます。そのうえで、窓を全開にして、エアコンを「外気導入モード」で、風量を最大にして走り出してください。
――走り出した後は?
JAF愛知支部広報 杉山里帆さん:
こうして車内を一気に換気をして、数分走行していただくと、熱気が少し無くなってきます。熱気が無くなりましたら、窓を閉めて、エアコンを「内気循環モード」に切り替えます。すると、冷房効率もよく、燃費も抑えていただくことができます。
――だいたいどれくらいで冷えるんでしょうか?
JAF愛知支部広報 杉山里帆さん:
JAFの実験では、この方法で、55度だった車内温度を、約5分で28度まで下げることができました。空気の循環がとても効率的にできる方法になりますので、こちらの方法をおススメしております。
これはぜひ覚えておきたいですね!たった5分で、55度が28度ですからね。また、走る以前に触る可能性のある、ハンドル、ダッシュボード、シートベルトや、チャイルドシートの金具は、火傷するほど暑くなっていますので、危険です。これらは、濡れたタオルなどで拭いて、気化熱を利用して冷やすのがおススメということでした。
冷却スプレーなどで冷やす方法もあるのですが、冷却スプレーは可燃性のガスを含んでいるものも多く、車内に置いておくと高温で破裂する危険性もあります。お使いになる場合は、商品の注意書きで、保管状況の推奨温度などをしっかりと確認してください。














