中国を訪問している台湾の馬英九前総統と、習近平国家主席が9年ぶりとなる会談を行いました。2人は台湾と中国の一体感を強調し、西側諸国や台湾の民進党政権をけん制した形となりました。
中国を訪問している台湾の馬英九前総統と、習近平国家主席は、北京市内で日本時間の午後5時から会談しました。2人は9年前に、史上初めての“中台首脳会談”を実現しています。
台湾の現在の民進党政権を中国は「独立勢力」とみなしていて、習主席は中国に融和的な国民党に所属する馬前総統の政治姿勢について高く評価しました。
中国 習近平 国家主席
「台湾独立に反対する態度と、両岸(中台)関係の平和的発展の推進を高く評価する」
そのうえで、「どんな勢力も両岸を引き離すことはできない」と強調しました。
また、中国国営の新華社通信によりますと、習主席は「我々は14億人以上の大陸同胞をより良い生活へと導く能力がある」とし、「台湾同胞がより多くの恩恵と、より確かな幸福、より良い未来を手にすることができるようにする」と主張。交流の促進により信頼を深めることの重要性を訴えました。
これに対して馬前総統は、台湾から引率した学生が中国各地で歓迎されたことに感謝を述べました。一方で、台湾と中国が戦争になれば耐え難い重荷になるとし、緊張緩和を訴えました。
台湾 馬英九 前総統
「両岸(台湾と中国)の中国人は紛争を平和的に処理し、衝突を回避する十分な知恵を持っているに違いない」
馬前総統は、1992年に両者の事務レベルが「一つの中国」の原則を口頭で確認したとされる「92年合意」を堅持すると強調。中国側もこれを評価しました。
しかし、馬前総統はこれまで、「一つの中国は中華民国」で「それぞれが一つの中国を実現する」と台湾の統治権は否定せず、中国とは異なる解釈を主張してきましたが、会談ではこうした点に触れませんでした。
9年ぶりの会談は、5月に頼清徳氏が総統に就任するのを前に民進党政権をけん制するとともに、西側諸国に対し台湾問題は中国の内政問題だと改めて強調した形となりました。
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