1月1日に発生した能登半島地震で、大きく隆起した能登半島周辺で、今度は地盤が一転、沈降していることが分かりました。政府の地震調査委員会は、地震のあとに地盤がゆっくりと動き続ける「余効変動」だとして、今後の推移を注意深く見守ることにしています。

「不思議なことに反対方向に動き出した」影響は関東まで

1月1日に発生した地震では、能登半島周辺の地盤が大きく持ち上げられ、国土地理院の解析結果では、輪島市北西部で最大およそ4メートルの隆起が確認されました。

大規模な隆起で港内が干上がった鹿磯漁港=石川県輪島市、1月

しかし、地震後に人工衛星を使って地殻変動を精密に調べた結果、能登半島周辺では一転、地盤が最大で5センチ沈降したことが分かりました。こうした地震のあとに地盤が動き続ける地殻変動は「余効変動」と呼ばれ、北陸から関東にかけて、広い範囲で長時間続く可能性があります。

地震調査委員会の平田直委員長は「非常に不思議なことに能登半島では反対の方向に動き始めていて、最初に隆起した所が沈降している。地殻変動そのものは被害を及ぼさないが、いろいろなデータに影響を及ぼすので、正しく理解することが必要だ」としています。