鹿児島県枕崎市の鹿児島水産高校で9日、入学式がありました。

今年の新入生には68歳の生徒がいます。50歳以上年下のクラスメイトに、息子と同世代の担任の先生…
「学びに年齢は関係ない!」男性の思いにせまります。

鹿児島県立水産高校の入学式では、真新しい制服姿の127人が、拍手で迎えられました。

(新入生・海洋科)「船に関するエンジン系の仕事に関わりたい。免許をとったり、いろいろな人とコミュニケーションをとったりして充実した3年間にしたい」

(食品工学科)「みんなと仲良くなれそうであすから楽しみ。魚が好きなので食品関係の実習をしたい」

(記者)「ちょっぴり緊張した面持ちの新入生のなかに、堂々とした風格の生徒が。校内最高齢の新入生です」

食品工学科新入生、南さつま市出身の鮫島耕児さん、68歳です。創立115年の水産高校史上、最高齢の新入生です。

(鮫島さん)「校歌を覚えていて、1番は見ないで歌えた。高校生になったんだと実感した」

1974年=昭和49年水産高校の漁業科を卒業。全国各地で漁師や航海士として働き、3年前に退職しました。

(鮫島さん)「高校2年生のときに物理が途中から分からなくなった。それが就職し社会人になってからも頭にあって。もう一回勉強したかった」

「苦手だった科目を学び直したい」と、去年10月から53年ぶりの受験勉強を開始。この春、晴れて食品工学科に合格しました。しかし…。

(Q物理科目はないですよね?)

(鮫島さん)「調べたら食品工学科にはない。あとから気が付いてなんだ、やってないじゃんって」

合格後、食品工学科には物理科目がないことが判明。それでも人生経験豊富な68歳のベテランは前向きです。

(鮫島さん)「化学式を勉強したり、なぜ化学式がかまぼこに繋がるのか…。それも楽しみ」

担任の先生は、自分の息子と娘と同世代の30代です。そして、50歳以上、年の離れたクラスメイトたちは。

「びっくりした。(入試のときは)先生の試験かと思った」
「今度家に遊びにいきます」「お酒は出せないけどお茶出すよ」

(鮫島さん)「若い子といると良い影響を受ける。そういう経験もしたい」

「学びに年齢は関係ない!」鮫島さんの人生2回目の高校生活がスタートしました。