カブスの今永昇太(30)が2日(日本時間)、メジャー初登板で初勝利を挙げた。本拠地開幕戦での登板となった今永は、6回92球を投げて、被安打2、奪三振9、四死球0の無失点。奪ったアウトはフライか三振で、ゴロアウトは1つもない圧巻のデビュー戦となった。

気温7度のコンディションでも、半袖姿で腕を振った30歳。悪天候のなかでの快投はベテランだからかと問われると「コンディション、天気とかコントロールされないものに対しては、あまり深く感情を入れない」と今永。「あとベテランっていう話が・・・僕はまだ自分のこと若いと思っています(笑)」と付け加え、現地メディアを笑わせた。

憧れ続けたメジャーでの初マウンドも「周りの人っていうのは僕のことを知らないので、特に『やってやろう』って思う必要がないというか、何かを背負う必要もないので」と冷静に迎えたという。試合開始は日本時間の午前3時20分頃だったため「(みんなが)朝起きた時に『良かったね』って言ってもらえるような、そういう結果を出したいなって思ってました」と語った。

家族は初勝利の瞬間を球場で見守ったというが「犬をペットホテルに預けてるんで。(犬が)『かわいそうだ』って言って、弾丸で一泊だけで帰るんで(笑)」とまさかの超タイトなスケジュール。「一泊の家族のために変なピッチングすると、すごく申し訳ないんで、気合い入れて投げましたけど(笑)」と明かした。

順調なスタートを切ったが「もしこれを船出と例えるなら、まだ港から、まだ船からロープを外しただけ」。“投げる哲学者”と呼ばれた今永らしくデビュー戦を表現した。

【試合後 今永昇太】

Q.ベテランのピッチャーだから、今日の悪い天候でも天気を使いながらピッチングができたか?
今永:
コンディションは相手も同じなので、寒いから投げづらいわけではないですし、バッターも、寒いと嫌な時もあると思うので、コンディション、天気とかコントロールされないものに対しては、あまり深く感情を入れないので、そこはあの問題ないと思います。あとベテランっていう話が・・・僕はまだ自分のこと若いと思っています(笑)

Q.2回表、5番のマクマーンを13球で三振に抑えた場面について
今永:
とにかくエラー×フォアボールっていうのは良くないですし、やっぱ何か起こった後にフォアボールが絡むと、すごく自分の中の経験として良くないことがたくさんあるので。本当あそこはうまくゾーンに投げられるボールを選択をずっとして、それが真っ直ぐだったんですけど、そこで、アバウトですけども、相手も反対方向のバッティングだったんで、まあ真っ直ぐを投げておけば引っ張ることはないかなという風な分析の中で、もうないだろうっていうところで最後、あっちも多分疑いのかかってた中で、チェンジアップを選択できたので。それもまあゾーンに近いところに投げられて良かったなと思いますね。

Q.マウンドに上がる前にいつもと同じような1日と思って上がったと言っていたが、あえて意識してそうした?
今永:
もしかしたらこのアメリカという環境がそうさせてるのかもしれないですし、周りの人っていうのは僕のことを知らないので、特に「やってやろう」って思う必要がないというか、何かを背負う必要もないので。これから自分という選手はこういう選手です、というのをシカゴのファンの方に証明していくだけなので。特に、投げる前から何かこう気負う必要はないと思いながら、1日1日を過ごしていました。

Q.メジャー初登板への思いは?
今永:
確か日本の現地時間で深夜3時くらいですよね。なのでみんなが寝て起きた時に、日本時代からいろんな成績を、僕の苦しい時も見てくれてる方が、こうやって朝起きた時に「良かったね」って言ってもらえるような、そういう結果を出したいなって思ってましたし、今日家族も見にきてたんで。で、家族は明日帰るんですけど(笑)あの、犬をペットホテルに預けてるんで(笑)お母さんが「かわいそうだ」って言って、弾丸で一泊だけで帰るんで(笑)一泊の家族のために変なピッチングすると、すごく申し訳ないんで、気合い入れて投げましたけど(笑)