地震発生から4日後の1月5日。私は輪島市内の一角で、あるものを配る光景を目にしました。
避難所で生活する女性(当時)
「有名なお店なので、こんなに貴重なものを配って下さってありがたい。こんなことになるとは…、生まれ育ったところなので」
配られていたのは「プリン」です。1910年創業の地元の老舗菓子店。地震で店が被害に遭い、冷蔵庫に残っていた商品を無料で配布していました。
子ども
「(Q.輪島プリン食べたことある?)はい。(Q.おいしい?)めっちゃおいしいです」
突然、家を失った人。友だちと離れ離れになった人。避難所暮らしが続く中、子どもたちに少し笑顔が戻りました。
老舗菓子店を経営する中浦政克さん。輪島市内の工場は屋根が崩れ落ちるなどして製造ができなくなり、さらに店も1つ失いました。
中浦屋 中浦政克さん
「(Q.初めて被害を見たときは?)全部焼け野原なんで、取り立ててうちだけっていう思いはなかったですね。本店以外で一番ここが長いんですよ。今回ばかりは、写真で保存することが好きなんですけど1枚も撮ってないです。罹災証明に必要な事だけ。撮れないですね」
そんな中浦さんが、地震発生直後に避難所から思わず撮った1枚です。店があった朝市の方から炎が上がっていました。
中浦政克さん
「これは倉庫ですね。この下が工場なんで、ここから落ちた雨もりが下まで落ちてくるという。工場は今そのまま放置しています。方針決まらないと片づけられないんで」
地元の人たちに親しまれた「輪島プリン」。地震から2か月が経っても輪島市内の工場は復旧できず商品を作れずにいました。
そんな中、地震から3か月を前に復興市が開かれることになり、被災を免れた金沢市内の工場で特別に「輪島プリン」が作られることになりました。使われる卵と牛乳は能登の地元で作られたもので、和菓子屋の技術を活かして作られています。
今回作られた「輪島プリン」は128個。金沢の工場から輪島へと運ばれます。
今月21日、「輪島プリン」が被災した中浦さんの店に届けられました。復興市のために作られた特別なプリン。一時的ではありますが、久しぶりに店の冷蔵庫に並べられました。
輪島市内の多くの場所では今も地震による被害は手つかずのままです。今月23日、そんな街の一角で小さな復興市は開かれました。
「本当に食べるの自体は久しぶりですね。輪島プリンもめっちゃおいしいんですよ」
2時間だけの復興市でしたが、商品は完売しました。
まだまだ復興の目途は立っていません。でも、中浦さんは少しずつですが新たな一歩を踏み出そうとしています。
中浦政克さん
「3か月って、あっという間でしたね。輪島で114年お世話になってきた会社ですから、本社機能は必ずこちらに残して、輪島で製造して、輪島で販売するというのは、きちんと残してまいります」
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