今年度、山口県内では4つの小学校が統合や閉校でその名前を消します。

その1つが、山口市の串小学校。

先週土曜日には閉校式があり、明治以来、149年の長い歴史を持つ小学校は惜しまれながらその幕を下ろしました。

そんな串小学校で5年間、毎日児童の登校を見守ってきた女性がいます。

女性と串小学校の子どもたちとの最後の日々を追いました。

山口市徳地の山あいにある串小学校。

全校児童は3人。

3月23日の閉校式で、149年の歴史に幕が下ろされました。閉校を見届ける地域の人の中に1人の女性の姿がありました。

串地域に住む、山下いつ子さんです。

山下さんには、毎朝向かう場所があります。

児童と合流「おはようございます~いってきます」

串小学校6年・小林由奈さんの登校を毎日見守ってきました。

学校までの片道20分ほどの道のりを一緒に歩きます。

近所の人から「こども110番」ののぼりを譲り受けたことをきっかけに見守り活動を始めました。


由奈さんが小学2年生のときから5年間、晴れの日も、雨の日も。

ほぼ毎日、一緒に学校まで歩いてきました。

山下いつ子さん
「おうちの話とかきのうはどうだったとか、今日は何が学校であるとかね、ため息の出る日もありますけどね、大丈夫よ、由奈さんならできるよって言ってね」

由奈さんにとって、家族とも、学校の先生とも友達ともちょっと違う、何でも話せる存在です。

小林由奈さんと山下さん「(Qお姉ちゃんにとってはどんな存在?)ヒーロー。(なんで?)何でもできるじゃないですか」山下さん「いやいや・・・」

5年間、ずっと近くで成長を見守ってきました。

一緒に登校するのは、この日が最後です。

山下いつ子さん
「もうとうとう、背が抜かされました。2学期とか休み明けにはぐんぐん伸びてて、この2か月の間に抜かされました。1月のはじめはまだよかったんですけどね、最近こう影を見たら違うでしょう。え、と思ったらやっぱり大きくなってました」

学校の前でもう1人の6年生・松尾宗俊くんと合流すると、2人からいつも登校に付き添ってくれた見守り隊の人たちに感謝を伝えました。