和歌山県南部に建設中のトンネルで、天井部分のコンクリートの厚さが足りず空洞になるなど施工不良が起きていた問題で、専門家らが現地調査を行い、ボルトの位置などが当初の設計からずれているなど改めてずさんな工事の実態が浮き彫りとなりました。

コンクリート内部に空洞…30センチ必要なのにわずか3センチ

トンネルにわずかな隙間が(3月28日)

今回問題となっているのは、和歌山県の串本町と那智勝浦町の町境をつなぐ県道のトンネル「八郎山トンネル」です。全長は711m、南海トラフ地震などの災害時でのう回道路として整備中でトンネルはおととし9月に完成し、去年12月から供用開始のはずでした。

 しかし、おととし12月、コンクリート内部に空洞が見つかりました。その後の調査で、空洞などの施工不良は少なくとも約8割の範囲に及び、本来の設計なら、コンクリートの厚さは30センチ必要なのに、最も薄いところで、1/10のわずか「3センチ」しかないことが判明しました。

  県は今後の工法についての検討するため専門家らの「技術検討委員会」を設置しました。会議では、鋼材約700本のうち大半で本来設置されるべき場所からずれていることなどが判明。「ほぼ全面的に工事をやり直す必要がある」として、ほぼすべてのコンクリートをはがし工事をやり直す方針を決めました。

 そして28日、専門家らが現地調査を行い、コンクリートをはがした状態のトンネルの状況などを確認しました。その後に行われた委員会で専門家らは「鋼材やボルトの位置がずれているなどずさんな面が確認できた」「元々の基本測量でミスをしているので、その通り間違った施工方法になっている」などと話しました。

 また、委員会では調査報告書の骨子などが議論されました。県などによりますと、トンネル内のコンクリートをはがす工事は5月までに終わらせたいということです。