手や足に障害がある人の日常生活をサポートする「介助犬」をご存じでしょうか?障害がある人にとって欠かせない存在である一方、国内では60頭ほどしかいないことが課題となっています。
兵庫県で暮らす阪本彩乃さん。数年前から身体が徐々に動かなくなる進行性の難病となり、兵庫介助犬協会から貸与された介助犬「ポノくん」に日常生活をサポートしてもらい、暮らしています。
阪本彩乃さん
「外では基本的にどんな状況でも、音がしたらぱっとこっちを向いて『拾いますか』と聞いてくれる」
介助犬とは、手や足に障害がある人の生活を手助けするために特別な訓練を受けた犬のことです。
ポノくんも阪本さんの“手足の代わり”として、落としてしまったものを拾ったり、指示された物を探し出して渡したりするなどのサポートをしています。
阪本彩乃さん
「一人のときは基本的にベッドの上で過ごしていたんですけど、私ができないことを代わりにポノくんが行ってくれるようになったので、『できない』と思うことが無くなった」
阪本さんのように介助犬を必要としている人の数は、全国で1万5000人に上ると言われています。一方で、現在、国内で活動している介助犬はわずか58頭。なぜこんなに介助犬の数は少ないのでしょうか?
愛知県にある介助犬の訓練センター。
日本介助犬協会 水上言ゼネラルマネージャー
「介助犬希望でお問い合わせのあった方や、待機されている方々が載っている」
去年1年間だけで40件以上、介助犬についての問い合わせがありましたが、犬を育てる人材や費用などが不足していて「数をすぐに増やすのは難しい」といいます。
日本介助犬協会 水上言ゼネラルマネージャー
「(一頭を育てるのに)240万から300万かかりますし、それ以外にも介助犬にならなかった子たちの育成の費用とか、いろいろ運営費とかも合わせると全然足りない」
介助犬を育てるための費用は、9割以上を「寄付」で賄っている団体が多いといいます。ただ、介助犬自体の認知度が高くなく、寄付が集まりにくいのが実状です。
専門家は介助犬を普及させるためには、認知度の向上が重要だと強調します。
横浜市総合リハビリテーションセンター 高柳友子医師
「事業全体の運営が寄付で賄われているというのが、この事業の大きな特徴であり課題。多くの国民の皆さんにご理解をいただいて、この活動を支援するという社会全体で支援をしていこうと認知が広がることが望まれる」
障害がある人に寄り添い、生活を豊かにするために。介助犬の普及への支援が求められています。
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