ことしから腕を下げたフォームに挑戦している10年目のサウスポー。では、塹江敦哉 投手(27)の “特殊なボール” とは?

チーフアナリスト 飯田哲矢 さん
「塹江投手は腕を下げたことによって人と異なった軌道のボールを投げることができています」

― その球種を教えてもらっていいですか?
「ストレートです」

― ストレートって、みんな一緒なんじゃないですか?
「それが塹江投手のストレートは、“人と違って” …。ホップ成分(本塁に届くまでにどれだけ重力に逆らえるかを示す)・シュート成分(投手の投球腕方向への曲がりを示す)というボールの質を評価するものがあるんですけど、そのシュート成分が人の倍以上あって…」

このシュート成分は、どのピッチャーのストレートにも備わっているもので、平均すると、およそ20センチから30センチ動くといわれています(無回転球と比較)。では、塹江投手はというと…

チーフアナリスト 飯田哲矢 さん
「塹江投手のストレートは50センチ近く動いているので、平均的じゃない。逸脱したものというか。ボール3個分ぐらい、ほかの人よりも動くっていうところが強みなんじゃないかっていう。あの球を持っているのは、ジャイアンツの 大勢 投手ぐらいしかいないので。本当にそれくらい、シュート成分を生かした投球にすごく期待しています」

ただ、一つ疑問が…

チーフアナリスト 飯田哲矢 さん
― 逆に動かない方が構えたところに行く。シュートしない方がいいっていう考えもあるが?
「そうですね。なんかよくシュートさせちゃダメって聞くと思うんですけど、塹江投手の場合は人並みのシュートじゃないので、もう限界までいってほしいっていうのがあります」

しかし、この唯一無二のストレートもがむしゃらに投げればいいというわけではありませんでした。新フォームに取り組む春のキャンプには、“ある発見” が…