礒田文夫さん
「ダメージが大きい。3分の1もおらん」


資源保護のため、200グラム未満のタコは、逃がしています。減少した詳しい要因はわかっていませんが、三原市や漁協によりますと、温暖化や海の栄養不足、豪雨といった「環境の変化」のほか、「乱獲」などが一因とされています。


礒田文夫さん
「豪雨災害があったろ。あれからこっちにおらんなった。少ないけえ、だめよ。だいたい、こがいに(タコが)小そうなかったんよ」


1日の水揚げ量が100キロ必要なところ、この日、礒田さんの船で獲れたのは55キロ余り。大きいサイズのタコは8杯でした。


みんなで手分けして「活き締め」をします。漁獲量が減る中、追い打ちをかけているのが、原油価格の高騰です。


磯田文夫さん
「どうもこうも、食べていかりゃせんわいね。ほいじゃけえ、出られんよ。漁がないんじゃけえ。油代が(1日)1万円分も要ったら、あんた、タコ20キロ・30キロ獲ってきよったら、油代がタコ10キロ分は要ろう」


漁協が販売する1リットルあたりの船の燃油価格は、去年1月の70円から上昇し、ことし4月には1.5倍以上の110円まで値上がりしました。


漁師 礒田文夫さん(81)
「ちーとでもの、油を安うしてくれりゃあ、何かを免除してくれりゃええけど、何にもありゃせんわいね、漁師の人らは」


漁協は、希少になりつつあるタコのブランド価値を高めようと乗り出しています。広島県産応援登録制度を活用、さらに「三原やっさタコ」として商標登録しました。


三原市漁業協同組合 浜松照行組合長
「もっと早うにしときゃあ、えかった。(漁師の)高齢化が進んで、えっと漁に行かれんようになって。1円でも良い単価のところに売るようにしてあげたいなと」