日本銀行は、マイナス金利を解除し、金利を17年ぶりに引き上げることを決めました。植田総裁は会見で、「マイナス金利政策は、その役割を果たした」と述べました。この決定を受け、大手銀行が預金金利の引き上げに動くなど、生活にも影響が出ています。

日銀 マイナス金利解除 17年ぶりの利上げで影響は?

トマト料理が売りの都内のイタリア料理店「トマト・トマト・デ・ルーチェ」。

19日夜、取材に応じた店主は…

アモビさん(トマト・トマト・デ・ルーチェ)
「金利がちょっと心配なので、どのくらい上がってしまうのか」

今後、銀行から融資を受ける際の金利が上がらないか心配している様子でした。

というのも19日、日銀総裁は…

日本銀行 植田和男総裁
「マイナス金利政策といった大規模な金融緩和政策は、その役割を果たしたと考えている」

マイナス金利を解除し、金利を引き上げることを決めました。

2016年に日銀の黒田前総裁が導入した「マイナス金利」

民間の銀行がお金を貯めこまず、融資を増やすなどして、世の中の金回りを良くしようとする奇策でした。

ただ、円安などの副作用も出ており、2023年に就任した植田総裁はマイナス金利の解除のタイミングを探ってきました。

金利の引き上げは17年ぶり。理由について植田総裁は…

日本銀行 植田和男総裁
2%の物価安定の目標が持続的安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断しました」

さらに今回、異次元の金融緩和策として行われていた長期金利を低く抑える政策や、事実上、株価を下支えしていたリスク資産の買い入れも終了しました。

先ほど不安を口にしていたイタリア料理店。期待もあるといいます。

アモビさん(トマト・トマト・デ・ルーチェ)
「海外、輸入品が下がると思うので、メリットかなと思っている」

輸入しているワインやチーズなどは円安の影響で15%~20%値上がりし、苦しんでいました。

アモビさん(トマト・トマト・デ・ルーチェ)
「(円高になることで)材料が安くなると思うので、私たちもうれしいと思います」

円高への期待が膨らみますが、今後について日銀は…

日本銀行 植田和男総裁
「現時点の経済物価見通しを前提にすると、当面、緩和的な金融環境が継続すると考えております。緩和的な環境を維持することが大事だという点は留意しつつ、普通の金融政策を行っていくことになるかと思います」

金融緩和策が続くとの見方が広がり、円相場は150円台まで円安が進みました。

さらに日経平均株価は19日、前の日より263円高い4万0,003円60銭で取引を終えました。