中国政府はここ数年、チベット族の子どもを寄宿学校に入れ、同化政策を行っていると国際社会から非難を浴びています。寄宿学校で何が起きているのか取材しました。
ここは中国南西部にあるチベット族が多く住む地域。いま子どもの教育をめぐり、ある問題が浮上しています。
“中国政府がチベット族の子どもたちを強制的に寄宿学校に送り、中国語を学ばせる”など、漢族との同化政策を強いているのではないかというのです。
アメリカのブリンケン国務長官は去年8月、「寄宿学校に送られた子どもは100万人を超える」と非難しました。
私たちは学校を訪ねてみることにしました。ここは「寄宿学校」とされる学校の1つです。近所の人に聞いてみると…
近所の人
「生徒は全員、町の外からきたチベットの子どもです。中の様子はよくわかりません。ここは閉ざされた学校なんです。(Q.学生は多いんですか?)わかりません。何人生徒がいるのかもわからないし、普段は外に出てこられないように封鎖されているんです」
中の様子がわからず、近所の人が不気味だという学校。チベット族の1人はこう話しました。
チベット族
「(寄宿学校で)チベット語の授業は少しありますが、生徒たちはうまくしゃべれません。ここ数年の変化です。このままいくと、チベット語の授業はなくなり、すべて中国語になるでしょう」
いつか自分たちの言葉と文化を失ってしまうのではと、恐怖を感じているといいます。
チベット族
「私たちチベット族はなんといっていいか、ちょっと怖いです。無力感を感じます。どうしようもないことです。こういう話をあなたたちにすること自体も危険だと思います」
「チベットの言葉や文化を消し去ろうとしているのではないか」
国際社会の指摘に対し、中国政府は…
中国外務省 汪文斌 報道官
「寄宿学校に対する攻撃と中傷キャンペーンは、チベットの子どもたちの教育を受ける権利に対する冒とくと侵害であり、チベットの人権に対する干渉と破壊だ」
しかし、子どもたちには変化が起きていました。
チベット族
「小学校1年生から中国語を勉強しています」
「(Q.チベット語と中国語どっちが話しやすい?)中国語です」
「(Q.家族と話すときはチベット語ですか?)(うなずく)」
「(Q.でも、中国語の方が話しやすいんだ?)中国語の方が話しやすい」
インドにあるチベット亡命政府のツェリン首相は、次のような懸念を示しました。
チベット亡命政府 ペンパ・ツェリン首相
「中国が行っている教育システムが人々の心や考え方、生き方のすべてを変えることを目的にしているのであれば、それは文化的ジェノサイドに等しいと思います」
寄宿学校をめぐり、アメリカは中国当局者のビザ発給を制限するなど圧力を強めており、今後、米中の新たな火種となる可能性もあります。
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