今年2月、熊本県天草市で「約7400万年前の地層から大型の肉食恐竜ティラノサウルス科の下あごの化石の一部が見つかった」というビッグニュースが流れました。
国内では初めての発見です。

この化石が展示される新しい博物館『恐竜の島博物館』が3月20日にオープンするということで、熊本県天草市御所浦町(ごしょうらまち)を訪ねました。
船で向かう「恐竜の島」

御所浦町は大小18の島々からなり、定期船や海上タクシーで行くことができます。定期船は棚底(たなそこ)港や本渡(ほんど)港などから1日約30往復しています。

恐竜の島博物館は、港からすぐの場所。
これまであった小さな資料館を丸ごと建て替え、展示スペースは約2.5倍に。
目を引くのは、吹き抜けで作った常設展示室です。

学芸員 黒須弘美さん「元々の資料館はコミュニティセンターの一角を、約27年のあいだ間借りし続けていました。ティラノサウルスの標本は、10年以上前に御所浦で一度だけ体育館を借りて展示をしただけで、(普段は)解体して保管庫に入れてました」
保管庫で眠り続けていたティラノサウルスを含め、新しい博物館では、14体の骨格標本をいつでも見ることができます。

黒須さん「天井の高さも高くなって、ようやく島の人にも常に見ていただける形になりました」
恐竜化石を見つけた日
御所浦や天草地域では以前から貝などの化石は多く見つかっていましたが、最初に恐竜の化石が見つかったのは27年前の1997年。

黒須さん「天草で初めて見つかった恐竜の化石です。植物を食べる恐竜のすねの骨だと考えられています。この御所浦島で発見されています」
その時の調査で見つかった化石は他にも。
黒須さん「数日おいて、今度は国内最大級の肉食恐竜の歯の化石が発見されています」
歯から推定される恐竜の大きさは全長10mを超えるのだそう。

1997年には、さらに発見が相次ぎました。それが足跡の化石です。

黒須さん「3本指の足跡は肉食恐竜のものだと考えられていて、大きさは 約38㎝。頭から尻尾までだと大体5mくらいの恐竜と考えられています」
足跡の化石が見つかったのは、九州で初めてです。
そのほか、天草で見つかった化石1000点以上が展示されています。
中には触ることができる化石も!
