■第96回選抜高校野球大会 第1日 八戸学院光星ー関東一(18日、甲子園球場)

春のセンバツ、第1日の第1試合は、5年ぶり11度目の出場、青森の八戸学院光星が、8年ぶり7度目の出場、東京の関東一に5対3で勝利した。八戸学院光星が延長11回の死闘を制した。

関東一・畠中鉄心(3年)と八戸学院光星のサウスポー・洗平比呂(3年)、両エースの緊迫した投手戦が続いた。両チーム2点ずつ取り合い、試合は延長戦に突入。11回裏、八戸学院光星がタイブレークの無死1、2塁からチャンスを広げ、タイムリーや相手エラーなどで3点を奪い試合を決めた。

八戸学院光星は昨夏の甲子園8強入り。昨秋の公式戦では1試合平均失策数が0.33と出場32校中最少、堅い守備からリズムを作る。対する関東一は昨秋の1試合平均得点が9.82で出場校トップと高い攻撃力を誇る。「守り」の八戸学院光星か「打撃」の関東一か。

1回表、関東一は先発の畠中鉄心(3年)が切れ味抜群の変化球で2三振を奪う絶好のスタートを切ると、その裏、八戸学院光星は140キロ台後半の速球を誇るサウスポー、洗平比呂(3年)が先発のマウンドに立った。セカンドのエラーで出塁を許すが、後続を併殺打に打ち取り、こちらも0点に抑える。

2回表、八戸学院光星は二死2塁のチャンスで三上祥司(3年)の打球は、セカンド後方へ上がる。これを関東一のセカンド小島想生(3年)が背走、後ろ向きでジャンピングキャッチのファインプレーを見せ得点を許さない。

その後も関東一・畠中、八戸学院光星・洗平の投げ合いでゼロ行進。緊迫した投手戦が続いた。

5回裏、関東一が足を絡めた攻撃で二死3塁のチャンスを迎える。ここで坂本慎太郎(2年)がアウトコースへ曲がっていく変化球をひきつけてレフト前に弾き返し、3塁ランナーがホームイン。関東一が1ー0と先制に成功する。

7回表、八戸学院光星は二死満塁のチャンスで、代打に小笠原由宇(3年)を送る。カウント1-1からの3球目をライト前に弾き返し、1人目のランナーがホームイン。2人目のランナーはライトからの好返球でタッチアウトとなるが、1-1の同点に追いつく。

8回裏、関東一は先頭の越後駿祐(2年)がレフトオーバーの2塁打で出塁すると、続く4番・高橋徹平(3年)がショート強襲のヒットを放ち、ボールが転がる間に2塁ランナーの越後がホームイン。関東一が待望の追加点を奪い2-1とリードする。

9回表、八戸学院光星が反撃に出る。先頭がヒットで出ると、関東一の野選で無死1、2塁のチャンス。送りバントで一死2、3塁にすると、三上祥司(3年)がライトへの犠牲フライを放ち、土壇場で2-2の同点に追いつく。

そして試合は延長戦に入り、11回表、無死1、2塁のタイブレークから八戸学院光星は送りバントを決め、一死2、3塁に。ここで4番・萩原涼太が甲子園初打席でライト前へタイムリーを放ち、3-2と勝ち越しに成功。さらに5番・佐藤凌(3年)がサードへの強烈な当たりで、相手の悪送球を誘い1点を追加。その後も相手投手の暴投で1点を加え、この回3点を奪い、八戸学院光星が延長戦を制した。

*写真は、7回表2死満塁で同点の適時打を放った八戸学院光星・小笠原由宇選手(3年)