「宿泊客は日帰り客に比べ消費単価が高い」でも長久手にホテルはない…

愛知県が340億円もの整備費を投じた「ジブリパーク」。施設がある愛・地球博記念公園に県外から訪れた人は、ジブリパークの開園前後で8倍に!
専門家は、周辺自治体への波及効果をさらに高めるには「県外の客に宿泊してもらい、滞在時間を増やす」ことがポイントだと話します。
(三菱UFJ リサーチ&コンサルティング・内田克哉さん)
「宿泊客は、日帰り客に比べて消費単価が高いと言われている。宿泊することで滞在時間が長くなれば、近隣地域の複数の場所への立ち寄りにもつながる。1つの場所でお金を使うのではなく、さまざまな場所で消費してもらうことで、地域の活性化につながると考える」

一方、ジブリパークがある長久手市は。
(長久手市 観光交流協会・加藤正純事務局長)
「長久手市内のいろんな所に寄っていただけているという実感は薄い」
多くの来園者がジブリパークで遊んだ後、名古屋市などに移動してしまう…と嘆きます。それもそのはず、市内には観光客向けのホテルや旅館が1つもないんです。

(長久手市・加藤事務局長)
「これまで長久手は、わざわざホテルをつくってまで、泊まってもらうという要素がなかった」
「住みここちのいいまち」として知られる長久手市は市の都市計画で、市内の約8割を「戸建て」専用地域に定めていて、ホテルを建てる場所がほとんどありません。
しかし、ジブリパークのおひざ元にホテルがないのはもったいないような気も。市長を直撃すると…

(長久手市・佐藤有美市長)
「ホテルは現状ないが、来年度に長久手市観光交流基本計画を見直すので、計画策定でホテルについては検討していきたいと考えている」
長久手市は4月1日から「観光商工課」を新設し、観光客の呼び込みに本腰を入れます。
(長久手市・佐藤市長)
「せっかくジブリパークがあり、国内外からフルオープンでさらに多くの方が来ていただけると思うので、民間の方とも力を合わせて市の観光を盛り上げたい」

いよいよ、ジブリパークが全面開業!県外からの客の取り込み競争も長久手市の本格参戦で過熱するかもしれません。