クセのないキレイな投球フォームを見ていると、本当に投手転向3年目なのかと目を疑ってしまう。去年夏に自己最速となる152キロを記録した神戸弘陵高(兵庫)の右腕・村上泰斗投手(新3年)は、今秋のドラフト候補としてプロのスカウトからも注目されている。(取材・文 MBSアナウンサー金山泉)

 5人兄弟の末っ子として生まれ、兄の影響で小学1年時に野球を始めた村上。小中学生時代は捕手だった。しかし神戸弘陵高に入学した際、地肩の強さと身体能力の高さを感じた岡本博公監督(42)が投手転向を提案。もともと投手への思いがあった村上は、新たな挑戦を決意した。

 一から投球フォームを研究し、ウェイトトレーニングや食事で体を大きくすることで球速はどんどん上がっていった。入学時135キロだったストレートは、高1秋に140キロを超える。そして高2夏、ついに150キロの大台を突破した。ただ速いだけではなくキレもある村上のストレート。ボールの回転数を測定する機器では、プロの投手とほぼ変わらない数値が出ているという。