全国の小・中・高校生らの間で「いじめ」が理由による暴行などの事件が、去年1年間でおよそ290件に上り、過去10年で最多となったことが警察庁のまとめで分かりました。

警察庁によりますと、去年1年間の全国の小学生、中学生、高校生らの間で「いじめ」がもとで起きた事件は、前の年に比べて116件増加し292件と、過去10年で最多となりました。

このうち暴行事件が102件と最も多く、次いで傷害が60件、児童買春・児童ポルノが46件と続いています。検挙・補導も、前の年より181人増えて404人で、小学生が125人、中学生が189人、高校生が90人となっています。

警察庁は、文部科学省が去年2月、犯罪行為として取り扱われるべき「いじめ」については、直ちに警察に通報することなどを求める通知を全国の教育委員会に出したことが、事件の把握につながっているとみています。

一方、SNSをきっかけに児童ポルノなどの事件で被害にあった小学生の数は139人で、10年前と比べておよそ3.7倍となっています。

スマートフォンでネットを利用する小学生が増えていることが、増加の背景にあると見られています。