パウダースノーで世界的なリゾート地となった北海道のニセコでは、今、外国人観光客の急増で様々なものが値上がりしている。同時にアルバイトの平均時給など賃金が上がっている。物価と賃金の両方が突出して上がっているニセコの冬を取材した。
訪日客に沸くニセコは今 物価と賃金 好循環の現場

北海道倶知安町にあるスキー場ニセコ東急 グラン・ヒラフ。この地域を訪れる観光客は年間300万人以上だが、このスキー場では、利用者の約8割が、外国人観光客。

ニュージーランドから来た観光客は「ニュージーランドにはパウダースノーがない」「こういう雪を見るのは初めて」と言い、カナダからの観光客も「パウダースキーができると聞いて来た」と話す。

外国人観光客の急増とともに注目されているのが、ニセコ価格。ゲレンデ内にあるレストランで販売している豚丼は1800円。さらに、カツカレーは2023年から400円値上げして2000円にしたが、イギリス人観光客は「普段はヨーロッパでスキーをしているけれど、ニセコの方がお得だと思う。今は円もかなり安いし」と言う。

オーストラリアからの観光客は「オーストラリアでは時給30ドルだけど日本に比べてすべての値段が2倍する。オーストラリアから来た僕にとっては全てが安く感じる」と言う。
別のイギリスからの観光客は「(円安で)来やすくなった。値段が安くなったのも理由の1つ。雪は最高だし、みんなフレンドリーで食べ物も良くて最高」と話す。
ニセコ東急リゾート 事業戦略部 マネージャー 栗田勲夫氏:
海外の人にとっては、物価水準も所得水準も日本とは違う。彼らにとっては安いと認識してもらっている。日本人の感覚だと、かなり強気な姿勢に見えると思うが、ニセコで事業を行っていくと捉えると適正。

値段が高いのは、食べ物だけではない。2022年にオープンした分譲タイプのコンドミニアム。オーナーはホテルとして貸し出すことも可能で、41平方メートルのワンルームタイプが約8000万円と高額だが、外国人から人気だという。露天風呂付きの4LDKで最大10人が宿泊できる部屋は、冬のシーズンは1泊28万8000円から。190ある客室はほぼ満室だという。
雪ニセコ ホテルマネージャー 田元美千子氏:
いま滞在している宿泊客が、次の年の分を予約している。1回ではなく毎月来る方だったり、冬に関しても12月に来てまた1月2月と訪れる方もたくさんいる。