19日に行われた、サッカーEAFF E-1選手権。決勝大会の2戦目、中国戦を0-0で引き分けた男子日本代表は、終始優勢でありながら決定機に決めきれなかった。

試合後、指揮官の森保一監督(53)は「準備段階から最大限のチャレンジをしてくれた。そのことについては評価したい。チャンスは作れたと思うので、韓国戦ではゴールを決めて勝利をしたい」と選手を労い、27日の韓国戦を見据えた。

韓国は同日に香港と対戦。3-0で勝利し2連勝、日本に勝ち点差2をつけ首位に立っている。
日本が優勝するためには、韓国戦での勝利が絶対条件となった。

このE-1選手権は国際マッチデー期間外に設けられていることにより例年国内組のみで構成される。今大会は久しぶりの招集、もしくは初招集の選手が大多数となるメンバー構成となった。加えて、直前までリーグ戦が行われているため、選手同士が“合わせる”時間がほとんどない。つまり"初めて一緒にやる選手同士がぶっつけ本番で戦う舞台"なのだ。

そのこともあってか、日本代表はE-1選手権のタイトルを何度も逃してきた。過去8回で日本の優勝は2013年の1回のみ。他は韓国が5回、中国が2回となっている。
指揮官は「日本代表として優勝を目指して戦う」とメンバー発表の会見で意気込みを話している。

では「優勝のために必要なこと」は何か。中国戦直後にメディア対応した選手と監督に尋ねた。

森保監督は、短い準備期間で目指すサッカーを実現しつつある選手たちを称えた上で「得点」と答えた。「勝てなかった悔しさを韓国戦でパワーに変えてほしい。プロセスの部分では最大限チャレンジをしてくれているので、選手達には自信をもってもらいたい」と鼓舞した。

中国戦でA代表初スタメンとなった横浜F・マリノスのFW宮市亮(29)は次のように語る。「この悔しさからしっかり切り替えること。勝利に向かって強い気持ちで皆がやっていくところだと思う」。中2日で、気持ちを前に向かせる重要性を説いた。

その宮市と右サイドでコンビを組んだ横浜F・マリノスDF・小池龍太(26)は「継続」とした。「(今やっていることを)切らさずやること。目指すサッカーに共通理解を持って、お互いを知り合ってプレー出来ているのは間違いない。それを継続すること」と答えた。

一方、チームと自身の改善点について話したのは川崎フロンターレのMF・脇坂泰斗(27)。「一人ひとりが決めきれるようにすること。トレーニングで選手同士話し合うのもそうだし、チャレンジして、失敗したら解決策を練る。トレーニングから積極的にやっていきたい」。

それぞれが思うことを挙げた今回のメディア対応。9年ぶり2度目の優勝をかけた"優勝決定戦"の韓国戦。中2日と短い期間での修正が求められている。コロナ禍で急遽、日本開催になった今大会は、アジアの強豪国としての誇りの面でも、W杯につながるチャンスの面でも、優勝は至上命題であることは間違いない。