震度7に14回耐える家の秘密は 「揺れそのものを低減」
(下和田歩記者)
「耐震化工事が進む一方で、地震の揺れを制御する装置にも注目が集まっています」
愛知県瀬戸市で進む新築工事。
取り付けられているのは「MIRAIE(ミライエ)」という、住宅用の「制震ダンパー」です。


「制震」とは、揺れに耐えるように建物を強化する「耐震」と違い「揺れそのものを低減して建物を守る」という考え方です。
(アサヒグローバルホーム一宮店・服部亮太副店長)
「制震ダンパーをそもそも知っているお客さまが増えてきていて、その中で『MIRAIE』を知っているお客さまも増えている」

「震度7にも耐える」という、制震ダンパーの秘密とは。
タイヤの製造で知られる「住友ゴム工業」の工場を訪ねました。

(住友ゴム工業 ハイブリッド事業本部・松本達治副本部長)
「威力を発揮するのは上の部分。揺れを吸収する高減衰ゴムでできた制震ダンパー」
「衝撃」を「熱」に変えて放出する。つまり「減衰」させる「高減衰ゴム」が板状に2層、取り付けられています。
(住友ゴム工業・松本副本部長)
「普通、エネルギーを吸収するゴムはどちらかというと柔らかいゴムが多いが、高減衰ゴムは世界でも指折りの硬さ」
(下和田記者)
「すごく硬いですね。これは硬くないとダメなんですか?」
(住友ゴム工業・松本副本部長)
「ここのところの巨大地震は、繰り返して大きな地震が家を襲う。人の力で動くような柔らかさでは、家の揺れを抑えることが出来ません」
一般的なゴムボールと一緒に落としてみると…


(下和田記者)
「確かに弾まず、そのままですね」
「はねない」ということは、衝撃を吸収しているんです。
2016年の熊本地震の震度7の揺れを再現した実験では、現行の耐震基準を満たす一般的な住宅は、1回目の揺れには耐えたものの、2回目の揺れで1階部分が大きく損傷しました。
(住友ゴム工業・松本副本部長)
「2階建ての住宅の場合には必ず1階部分が先に倒壊し、その上から2階部分が乗っかかってくる。いかに1階部分を強くしておくかが、大事なポイントになる」
