福岡と言えば「とんこつラーメン」。もはや文化として県内外で印象づいていますが、今、状況は変わってきています。キーワードは“非とんこつ”。一体何が起きているのでしょうか。

福岡“非とんこつ”急増のワケ 新規ラーメン店の6割が

南波雅俊キャスター:
福岡の地元情報誌「シティ情報ふくおか」(2023年2月号)で「“非とんこつ”特集」が組まれました。「食べログ」で掲載された福岡で開店1年以内のラーメン店の約6割が“非とんこつ”ということです。

ラーメン評論家 山路力也さん
「10年ほど前までは9割以上がとんこつ。福岡で異常事態が起きている」

その理由はなぜなのかを説明していきます。

1つ目は何十年もの歴史がある老舗とんこつラーメン店が多くて“強敵が多すぎる”ところです。山路さんによると「とんこつの中でも『この店』と決めている地元民も多く、新規の店に乗り換えるという可能性は低い」。ですから、歴史が浅い“非とんこつ系”に勝算があると考えて出店する方も増えているのではないかと。

さらにこんな理由も考えられます。
お値段です。老舗とんこつラーメン店は家賃がかからない店も多い。家賃不要や家族経営でなじみの業者から仕入れるなどして、500円前後で提供しているお店もあります。
ただ、新しいお店を出店する場合、同じ価格帯での提供はほぼ不可能になってきます。

山路さんによると「“非とんこつ”は地元の人にとってラーメンとは別物」。むしろ“非日常”の“特別感”があるということで、この濃厚つけ麺は1150円ですけど、1000円前後でも特別なものを食べているからこそ受け入れやすいという感覚があるそうです。