今月11日で、発生から13年となる東日本大震災。JNNでは、今年も被災地の今を見つめる「つなぐ、つながる」プロジェクトをお送りします。岩手県陸前高田市の海岸では、津波で失われた松林の再生に向けた取り組みが続いていますが、そのマツに異変が起きています。

東日本大震災の津波で、7万本の松林がたった一本を除いて根こそぎ流されてしまった国の名勝「高田松原」。再生に向けたマツの苗の「植樹」が2021年に完了し、現在はマツを育てる「育樹」の段階に移っています。

陸前高田市のNPO法人「高田松原を守る会」の鈴木善久理事長(79)です。鈴木さんたちは震災前に高田松原で拾った松ぼっくりから発芽した苗を大切に育て、植樹。高田松原再生に向けた取り組みは10年を超えました。そのマツに今、異変が起きています。

松を枯らしていたのは「クズ」でした。クズはマメ科のツル性植物で、他の植物に覆いかぶさりながら生育範囲を広げます。上空から見ると、松林の複数のエリアで広範囲にマツが枯れているのが確認されました。

先月3日、守る会の会員は県内外からのボランティアとともに、クズ退治をしました。マツの枝に食い込むように絡みつくクズのツル。葉が落ち、枯れたように見えても、今のうちに刈り取らなければ、夏にはまた、マツを覆いつくしてしまいます。

NPO法人「高田松原を守る会」 鈴木善久 理事長
「上に葉っぱが広がっていると、どこにクズの根があるかわからない。こうやって見ると、だんだん(根の)太いところが出てきた」

高田松原を守る会は今後、行政に支援を要請してクズ退治を本格化させたいとしています。

一方、長く活動をリードしてきた鈴木さんは最近、体調によっては活動に参加できないときも増えてきました。

NPO法人「高田松原を守る会」 鈴木善久 理事長
「作業できるときには、こうやって参加するし、できなくなることも考えられる。心の中で応援するような格好。松原にも来てね、成育していくマツの姿も見たいと思います」

松林が再生するには50年かかると言われています。それでも多くの人々の力を借りながら、陸前高田市のシンボルは必ず未来へと守り、受け継がれると鈴木さんは信じています。