原野商法、意外な被害

じつは白糠町の例では、摘発後に意外な被害も出ていました。
北海道の「道東自動車道」は阿寒IC~釧路西ICについて用地買収が思うように進まず、長い間「開通の目処が立たない」とされてきたのです。

所有実体のない土地であろうと、正規の手続きを取らざるを得ません。

その理由のひとつがこの原野商法でした。名目とはいえ、原野を細分化して売り払ったため、所有者の連絡が取れない土地が数多くあったというのです。
そうした負の遺産が、このような形で長年問題となり続けてきました(*2024年度に開通予定)。

道東自動車道完成予定図(北海道釧路総合振興局ウェブサイトから)

令和になって「二次被害」

実はこの原野商法、令和の今になって、まだ再燃し始めています。
「騙された」と気づいた被害者のもとに、ある日突然、業者から「あの土地を買いたい人がいる」と電話がかかってくるのです。話はトントン拍子で進みます。ところが「広告・調査や整地の費用」などの名目でカネを支払うと、業者はそのままドロン。

原野商法の二次被害トラブルの年度別相談件数(政府広報オンラインから)

原野とはいえ、土地には固定資産税がかかってきます。こういう負の遺産を子孫の代に残したくないと思う、いわば責任感の強い人ほど、こうした悪徳業者のカモになりやすいのです。

これらの原野商法、政府広報オンラインでも注意を呼びかけています。
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201806/2.html