コロナ前は「インバウンドの中核を担う」といわれるほど増大した、イスラム教徒=ムスリム観光客。その中心が “インドネシア” と “マレーシア” です。SNSで高い影響力のあるマレーシア人を招待し、ムスリム専用のモデルコースを巡るツアーが行われました。

岡山県真庭市の蒜山高原にあるハーブ園を散策するのは、新潟在住のマレーシア人でイスラム教徒のズニタ・ラムリさんです。フェイスブックのフォロワーは約18万人。東南アジアのムスリムに強い影響力があるインフルエンサーです。

イスラム教は規則が多く、観光には困難が付きまとうこともありますが、ムスリムが利用しやすい観光コースを巡りSNSで発信してもらうことで、観光誘致につなげようというのです。

ヒルゼン高原センターは、岡山市と真庭市・吉備中央町が連携して取り組む「ピーチマーク認証施設」です。「ピーチマーク」はムスリムに対応した独自の観光規格です。

この施設では、礼拝のためのスペースを借りられたり、「ハラル認定肉」とよばれるイスラムの教義に則った方法で処理された肉で、ジンギスカンを提供したりしています。

さらにアルコールの摂取が禁止されているため、みりんや料理酒が使われていないタレなども用意されています。

2016年から導入されたピーチマークです。岡山県を訪れるマレーシアとインドネシアの観光客は、2015年から4年間で2倍に増えたといいます。

(岡山市プロモーション・MICE推進課 楢原申士 さん)
「ムスリム人口は、これからも世界中でどんどん増えると予想されており、今後海外からの観光客を誘客する上で、ムスリムの観光客は外せないと考えております」

(新潟在住マレーシア人 ズニタ ラムリさん)
「食事や礼拝を考慮した施設がたくさんあるので、岡山はムスリムが観光しやすいと感じた」

観光ツアーでズニタさんは、桃農園や岡山後楽園も訪れる予定です。旅のもようはYouTubeやインスタグラムで発信するということです。