指示と責任だけが学校現場へ? 再発防止に取り組むマンパワーも不足か
NEWS DIG 久保田編集長:
通知が浸透していないという問題は広く考えた方がいいと思います。給食に限らず学校では様々な事故が起きますが、再発防止に向けての取り組みを不安に感じる数字もあります。

学校で死亡事故が起きた場合、児童・生徒のほとんどに独立行政法人から見舞金が支払われています。独立行政法人「日本スポーツ振興センター」の調査によると、7年間で456件の死亡事故があったということです。しかし、文科省に学校側から報告があった死亡事故は141件ということで同じ時期なのにかなり差があります。

この中には通学路での交通事故などで警察が捜査をしているため、文科省に報告が上がらないケースもあるそうですが、学校安全が専門の大阪教育大学の藤田大輔教授は「文科省から教育現場に対して、事故原因の調査や国へ報告するという指針がうまく伝わっていない」と指摘しています。
私が以前、幼稚園の死亡事故を取材したときには、再発防止よりも責任追及の方が前に出てしまっていました。「誰が悪いんだ」ってなるとみんなが口を閉ざしてしまって、何が違ったらよかったのかという改善点の議論になかなか発展しないという状況があるように感じました。
小川キャスター:
ただ、同じ背景の事故が繰り返されて、尊い命が失われるということは最もあってはならないことですよね。

NEWS DIG 久保田編集長:
文部科学省は2月27日の有識者会議で「学校事故対応に関する新しい指針案」を示し、「事故の再発防止を図るため、教育委員会などに調査・報告の徹底を求める」ということです。
事故の再発防止につなげていきたいとしていますが、学校リスクに詳しい名古屋大学大学院の内田良教授によりますと、「文科行政は人や予算をつけず、指示と責任だけが現場に降りてくる状況」「教員はリスク対応の専門家ではない。安全配慮の専門家を育成して配置をしてほしい」と指摘しています。
小川キャスター:
新しい指針案も機能させなければいけないですよね。

ジャーナリスト 浜田氏:
もちろん過去の事故のデータベースを作ったり、指針を作ったり、ガイドラインを作って通知を徹底させたりするということも大事だと思いますが、内田教授が指摘している点、つまり現場のマンパワーに余裕がないわけです。
例えば、先生たちが今回のようなニュースを見たら、「うちの学校は大丈夫なのかな」と普通は自分たちで考える。通知に頼るというのはある意味危険で、通知がないものはやらないとなってしまい、思考停止してしまうわけです。しかし、今の学校現場に自分たちの職場で話し合う時間や余裕があるのかということが問題なのかなと思います。
小川キャスター:
そのためにも環境の改善というのを尽くしていかなければなりません。














