■MLBオープン戦 レンジャーズ-ドジャース(日本時間29日、米国アリゾナ州サプライズスタジアム)
ドジャースの山本由伸(25)がついに対外試合デビューを果たした。この日、昨年ワールドシリーズ王者のレンジャーズとのオープン戦が行われ、メジャー1年目の山本が初先発。“世界一打線”に対し2回19球を投げ、被安打1の無失点、3つの空振り三振を奪い、堂々のピッチングを披露した。
少し緊張気味の表情でマウンドに向かい、ベンチでは前日オープン戦デビューで“ドジャース1号”を放った大谷翔平(29)が見守った。注目の”メジャー初登板”は、2023年WBCメキシコ代表で正捕手だったベテラン、A.バーンズ(34)とのバッテリー。
1回、1番は昨季29本塁打のM.セミエン(33)。世界一の先頭打者を迎えたが1球目は、ストレートでファール。2球目はカーブでファールと緩急を付けて落ち着いたピッチング。2-2と追い込むと最後はストレートで空振り三振に打ち取り、オープン戦ながらメジャー“初三振”に球場はどよめいた。
2番・E.カーター(21)には1ストライクから低めのストレートをセンター前に弾き返されメジャー初ヒットを浴びた。迎えるは3番・W.ラングフォード(22)、山本は3球全てストレート勝負。力勝負でサードゴロ併殺打で切り抜けた。
ベンチに戻るとキャッチャーのバーンズと言葉を交わし、それが終わると山本はベンチの中で投球モーションをチェックしていた。
2回、先頭は4番N.ロー(28)に対しストレート、カーブで2ストライクに追い込むと、最後はスプリットで空振り三振。5番J.ハイム(28)はストレートで詰まらせレフトフライ。そして6番、左打者のL.タベラス(25)には1ストライクから内角へのスライダー、これをタラベスはのけぞるように避け、変化球のキレの良さも見せた。最後も低めの変化球で空振り三振。集中していた山本は3アウトをとったのを忘れ、マウンドにいたが味方が戻るのを見て、笑顔でベンチに向かった。
登板終了後には大谷が声をかけてきて笑顔で会話をしていた。山本はこの日は2回19球を投げ、被安打1、奪三振3、四死球0、失点0、打者6人で全てストライク先行と安定したピッチングでドジャース“デビュー戦”を飾った。
”デビューマウンド”を終えた山本は「とにかく落ち着いて投げようと思ったので、立ち上がりからテンポよく投げられた」と振り返り、「少しほっとしている。イニング増えていってどうかというところで、とりあえず今日の登板は良かった」と手応えをつかんだようだ。
さらに今日投げた球種を尋ねられると「ストレート、カットボール、カーブ、スプリットです」と答え、記者に「球種は10種類ありますよね?」と問われると笑顔を見せていた。
【山本由伸 投球内容】
■1回
1番・M.セミエン(33)空振り三振
2番・E.カーター(21)センター前ヒット
3番・W.ラングフォード(22)サードゴロ併殺打
■2回
4番・N.ロー(28)空振り三振
5番・J.ハイム(28)レフトフライ
6番・L.タベラス(25)空振り三振