ダムの貯水率が2月28日に過去10年で最低を記録した沖縄。県は今後貯水率がさらに低下した場合は、給水制限の検討に入る可能性があるとしています。渇水で給水制限となれば本島ではおよそ30年ぶりとなります。過去の給水制限の様子を振り返ります。

1994年1月28日の取材
「今晩から当分の間、夜間断水を実施します」

水不足による給水制限が本島で最後に行われたのは今から30年前。今では給水制限の経験がない県民も多くなっています。

1989年には、夜間の給水制限や1日おきに行われた24時間の断水が、生活に大きな影響を及ぼしました。

そば店の店員(1989年取材)
「夜間の断水は困らないんですけど、1日おきの断水になると困る」
Q食器とか何枚洗うんですか
「何枚か数えたことない。ひっきりなしのお客さんですから分からない」
Q大変ですね
「困ります」

衛生管理が必要な医療機関ですら厳しい状況にありました。

病院関係者(1989年取材)
「夜間断水の間はなんとか対策をたてられる。隔日給水になるともうダメです。お手上げというより、最悪の状態です。病院業務がどうなるのか」

家庭の生活用水だけでなく、飲食店など様々な事業者への影響も懸念される給水制限。県は、このまま貯水率の低下が続けば30年ぶりの給水制限の検討に入る可能性があるとしていて、今、積極的な節水が求められています。

県内は今すぐ給水制限が必要な状況ではないとはいえ、水事情は厳しさを増しています。

一方で仮に30年ぶりに給水制限を実施するとしても様々なハードルがあるそうです。

例えば夜間断水を行う場合、那覇市だけでおよそ100箇所の仕切り弁水道管のバルブを開け閉めする20人から30人の人手を、毎日確保しなければなりません。

また、長年給水制限をしていないためバルブが本当に回せるのかなど設備の点検もこれから実施するということです。