最高値を更新した今、投資を始めるのはアリなのか?ナシなのか?
2月22日。平均株価株価がついに1989年の3万8915円を超え3万9000円台に突入した。2023年の終値から6000円以上、年初からも5000円以上あがっている今、この株高に乗り遅れた人が投資を始めるのは、アリなのかナシなのか。

――もう一度もしかしたら大きく下げる場面があるかもしれない。そこで始めようと思っている人もいる。いつ始めればいいのか。
ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
結論から言うと、もうすぐ始めてもいいし、少し待ってもいいが、いずれにしても安くなるのを待とうと思ってる間に株価上がることもあるし、下がることもあるので、いつ始めるのがベストかを考えても無駄。そのタイミングを計れる人はやったらいいが、計れない人は、感情を入れずに淡々と積み立て投資をしていく。これに尽きる。
――やはり、積立投資?
ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
一般の人にとっては、積立投資というのが現実的だと思う。デイトレーダーとか短期投資で利益を狙いたい人は、自分の責任で買いたいときに買えばいいが、一般の人はそんなことできない。
――2023年に入ってから3万6000円、7000円、8000円で来たときに、一度どこかで下がるタイミングがあるだろうと待っていた人もいたかと思うが。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
「押し目待ちに押し目なし」という相場の格言がある。「押し目」は下がったときのこと。押し目を待っているとなかなか押し目が来ない。でもそんなこと言っていると来週いきなり押し目が来たりもする。わからないなら感情入れずに、予測せずに、淡々と積立投資をする。それがもう現実的。過去のデータを検証すると一括投資した方が結果は良かったが、必ずそうなるというわけでもないから、タイミングを選ぶのが難しい人は、感情に振り回されず、とにかく積立投資。
――もう週明けから始めてもいい?
ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
ベストとは限らないけれども、週明けから始めてもいいと思う。
――長期投資が大事?

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
仮に前回のバブルの1989年の年末、1番高かったときに、積立投資を始めていたらどうなったかを計算した。1989年の年末から毎月1万円ずつ、日経平均連動型のインデックスファンドに投資をした場合、毎月1万円で410ヶ月、元本が410万円で、青い線が資産額だが、2012年、2013年ごろまでは、プラスマイナスを繰り返したが、その後ぐっと上がっていって、直近だと1351万円になっている。元本の3倍以上だ。
だから仮にバブルの最高値で始めても、結果的には儲かっている。これは当たり前。その後ずっと今、今の3万9000円より安い時代がずっと続いたから、その頃に買った物ってみんな値上がりしている。だから儲かって当たり前。
――今始めても1989年と同じぐらいの株価。もしこの後下げていったとしても、何十年後かには元本よりも、大きい形で返ってくる可能性が高い?

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
長期投資だったら今から積立投資を始めても全く問題ないと思う。というのも、今の株価はバブルでも何でもない、実力通りの株価水準だから、目先で大きめに下がることがあったとしても10年後20年後の日経平均は4万円より上。バブルではないのでそう考えるのが普通。
――30年以上投資して、やっと膨れる?
ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
先ほどの積立投資のケースを見てもらうと、投資を始めてから20年以上待たされている。これ見るとまた20年待たされるのか、無理と思うかもしれないが、あのバブルのピークのときに投資を始めたということは、ずっとバブルの清算をしていた時期も投資していたわけだ。
20年待たされたというのは、バブルのツケを払ってる間、待たされたわけだ。でも今すでにツケを払い終わって、身の丈に合ってるわけだから、34年前みたいにまた20年待たされると考える必要は全くない。
――PER(株価収益率)を見る限りないよ、と。
ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
絶対とは言ってはいけないけれど、自分では絶対そうなると思っています。