地上げにつぐ地上げ

とにかく土地がありさえすれば儲かる。不動産会社は、いわゆる「地上げ」に走りました。
都心にある程度まとまった土地があり、その土地に古家がポツポツ散在するとします。人が住んでいる場合、業者たちは、あらゆる手段を尽くして、住んでる人を退去させようとしました。

カネですむならそれでよし。しかし、悪徳不動産業者になると、暴力団員などを連れてきてイヤガラセを始めることもありました。犯罪すれすれのことも多かったようです。TBSのアーカイブには、暴力団員が出てきて「何が悪いんじゃ、出てかんか、こら!」などと、スゴむ映像が残っています。

退去に応じない家に対しては、隣家で夜な夜な爆音をたてたり、塀にトラックを突っ込ませたりと、すれすれどころか犯罪そのものの手口もありました。

郊外も続々と高級住宅地化

平成地価バブルの特徴的なところは、大都市の郊外にもバブルが広がっていったことでした。
その象徴がいわゆる「チバリーヒルズ」。千葉市緑区あすみが丘にできたニュータウンでしょう。

一戸あたりの敷地面積が広く、瀟洒な高級住宅が建ち並び、道路には高級車。まるでロサンゼルスの高級住宅地「ビバリーヒルズ」のような風景に、ひとびとは溜息をついたものでした。ただ、都心まで電車で通うにはバスと電車で約2時間(あすみが丘東4丁目から東京駅まで)かかるなど、あまり交通の便がいいとは言えません。それでも人びとは億単位のカネを出してここを買ったのです。

じつは、以前この『アーカイブ秘録』でご紹介した「コモアしおつ」もこのカテゴリー。バブル期の遺産です。