日経平均株価がバブル時代を超えて、とうとう史上最高値となりました。一方、地価はどうかというと、これまた東京の新築マンションの平均価格が1億円を超えるという驚きの事態に。バブル同等とまではいわないもののジリジリとバブル期に近づきつつあります。狂乱地価と言われたあの頃の風景を見ていきましょう。
(アーカイブマネジメント部 疋田 智)

平成バブルの本質は「地価バブル」

東京23区の合計でアメリカ全土が買えた。
と、現実にそんなことあるわけないのですが、数字の上では確かにそうでした。あの平成バブル(1986-1991年)の頃。日本の土地の価格はそこまで上がっていたのです。

土地バブルは東京のみならず3大都市圏および全国に広まりました。

特に東京23区のブランド地域、港区や渋谷区、目黒区などは高嶺の花。
庶民でも手の届く価格帯の都内新築マンションなどは、すべて抽選となりました。
あらゆる部屋が5倍から10倍の高倍率。抽選器を回し、その場で一喜一憂したものです。
自分で住むだけじゃありません。マンションを買えさえすれば、数か月後にはそのマンションが3割アップで売れる、なんてこともザラでした。

「このガラガラを何度回したことか」という中高年は実際に多いはず。

あの時期の「社宅ブーム」

憶えてますか。あの時期「社宅ブーム」というのがありました。理由はふたつ。
①「もはやマンションは買えない、あきらめた、ならば社宅」という需要の増大と
②新入社員確保のために「我が社にはナウい社宅がありますよ」というためです。

驚くことに社宅や独身寮を作る企業のための雑誌(右上)まで発刊されていたのです。

実際に、テニスコート付き、プールバー(ビリヤード室)付き、というような独身寮や社宅が、郊外に多数作られました。