愛知県田原市で2月25日から販売が始まったピンク色のお漬物、実は「たくあん」なんです。
このピンク色のたくあんが登場した背景には「たくあん文化を守りたい」という開発者の強い思いがありました。

愛知県田原市の「キムラ漬物」は、たくあんを海風にさらして水分と辛みを抜く、「はざかけ」という伝統的な製法で70年以上たくあんを作り続ける老舗です。
(キムラ漬物 4代目 木村彰太さん)
「(はざかけは)天候の問題もあって、干してあるたくあんは全体の1割もない。昔から農家と一緒にやっているものなので、やり続ける」
4代目の木村彰太さん(26)は父親の3代目が経営するキムラ漬物に4年前に入社しましたが、間もなく、たくあんが置かれている「厳しい現状」に直面しました。
(キムラ漬物 4代目 木村彰太さん)
「衰退産業というところが大きい。相対的に(漬物を)食べなくなってきている」

たくあんは1985年には全国で年間25万トンほど生産されていましたが、食生活の変化により米の消費量が減ったことなども影響し、おととしには約5万7000トンと40年ほどの間に「5分の1」にまで減少しました。
(キムラ漬物 4代目 木村彰太さん)
「昔から作ってきた商品を否定するのではなく、今の市場と合わせていきたい」
これまで、たくあんを粉末にした「ふりかけ」など、たくあんを使った様々な新商品の開発に取り組んできた木村さん。
今回挑んだのは、新たなたくあんでした。