高知県中土佐町に伝わる民話を題材に制作されたアニメの上映会が25日開かれました。鑑賞した人たちは地域の海の大切さについて考えるきっかけになったようです。

アニメ「海に沈んだ鬼」は日本財団の「海と日本プロジェクト」の一環として、海にまつわる民話を後世に残そうとこのほど制作されました。

久礼湾に浮かぶ2つの小さな島、双名島(ふたなじま)。島ができた経緯は諸説あると言われていますが、今回のアニメでは鬼の親子が荒波に立ち向かい、湾内に島を持ってくることで町民の暮らしを守るというストーリーになっています。

上映会では制作プロデューサーの柴田英知(しばたひでとも)さんが、アニメに込めた思いを説明。

久礼に伝わる民話ということで、柴田さんは制作にあたり地域の人たちとコミュニケーションを密に取ってきたことや、アニメーションの色づかいなど細部にまでこだわったことなどを紹介しました。

(制作プロデューサー 柴田英知さん)
「地元のみなさんとの確認をずっと丁寧にやったので普通のアニメより(制作)時間がかかったが、地域のみなさんの思いもくませていただいて作った」

訪れた人たちは、改めて地域の海の大切さについて考えるきっかけになったようです。

(訪れた人)
「きょうの話はまったく私が空想したものと違って、新しい発想だなと思ってよかった」
「鬼さ、怖かったけど…なんか優しかった」
「島が2つあって波がどんどん消えていくのがおもしろかった」
「このお話を聞いて、この久礼の町は鬼たちにとって大切だと思われて助けられたと思った」

アニメ「海に沈んだ鬼」は、今後、DVDにして町内の小中学校に配られる予定です。