■大阪マラソン2024(25日、大阪府庁前~大阪城公園内42.195km)

パリ五輪の代表選考を兼ねる「大阪マラソン」が行われ、マラソン初挑戦の国学院大3年・平林清澄(21)が初マラソン日本新記録での優勝を果たした。タイムは2時間6分18秒(速報値)で、昨年、同大会で西山和弥が記録した2時間6分45秒を上回った。

平林は終盤の優勝争いで海外招待選手のS.キッサ(35、ウガンダ)を振り切り、2時間4分台の自己記録を持つ選手に勝ち切る勝負強さもみせた。さらに、当時・青山学院大の横田俊吾(23、JR東日本)が持っていた日本学生記録(2時間7分47秒、別府大分23年)も更新し、マラソン界に“超新星”が現れた。今年の箱根駅伝・往路では、“花の2区”を走り区間3位だった。

今大会、「MGCファイナルチャレンジ」設定記録の2時間5分50秒を突破した選手はなし。パリ五輪「最後の1枠」は次週、3月3日開催の「東京マラソン」で設定記録を突破する選手がいなければ、MGC3位の大迫傑(32、Nike)が内定する。

朝から雨が降る中、スタート時は止み、気温は6.3度。“パリへの切符”に向け、有力選手が先頭集団でペースメーカーについていき、安定した走りをキープ。今大会は上り坂や折り返しが減り、高速レースが期待される新コースに。

昨年10月に行われたMGCを制し、五輪代表に内定している小山直城(27、Honda)も出場。先頭は最初の5kmを14分53秒、10kmまでの5kmは14分49秒で刻み、設定記録を上回るペースでレースは進んだ。

中間地点を過ぎて先頭集団は20人ほどに絞られ、東京五輪代表の中村匠吾(31、富士通)が遅れ始める。25kmで2人のペースメーカー(林田、小林)が外れ、サイモン1人が30kmまでペースを作る。だが26kmまでの1kmで先頭集団のペースが落ち、設定記録突破は厳しい展開に。

集団は徐々に縦長になり、小山が海外招待選手のS.キッサ(35、ウガンダ)と共にペースメーカーの前に出てレースを引っ張る。風が強くなる中、29.4km付近で小山が前に出てペースを上げる。 

30km地点でゴール予想は設定記録から1分以上遅れ、さらにペースアップする小山に、初マラソンの平林、土井大輔(27)、吉田祐也(26)らがついていき上り坂へ。ここで平林がギアを上げると、キッサも対応し2人で優勝争いへ。

35km以降も平林のペースは落ちず、1kmのラップ2分50秒台で初マラソン新記録も見えてきた。追ってくるキッサを横目にスパートをかけ、大きなストライドで最後の力を振り絞り、フィニッシュテープを切った。キッサは4秒差の2位、小山が3位に入った。