「満足したら終わり」

Q.何が足りなかったかとか具体的にありますか?

吉田:やっぱり相手投手の攻め方、相手チームの攻めですよね。それに対して自分が上回れなかった。結果はヒットになっててもその内容だったり、長い目で見たら落ちてくるような内容っていうのは、少し続いていたので。本当に改善すべきところは、打率とかホームランとかじゃなくて小さい、もう少し内容的なゴロのアウトの確率だったりっていうとこがすごく多かった。そこに関してはオフから取り組んでいかなければいけない。実践でしかできないこともあるんですけど、それまでの自分のスイングの安定性って意味では、まだまだやれることがあるかなと。

Q.アメリカは1試合1試合で相手チームの研究が日本よりもかなり強い、それは肌でも感じますか?

吉田:データ量も含めて、日本のときに比べると球速、球種、誰に似てるかとかそれぐらいの僕の中では情報量だったんですけど・・・。アメリカはやっぱり球場を含めても、縦にどれだけホップしてるかとか横にどれだけ動いてるかって出る。球がどうなってるか、バッティングもどれぐらい飛んだか、どれぐらいスピード、角度とかも日本でも最近ありますけれども、それがはっきり何でこうなるっていうのがわかってきてるので、そういう面では良い点、悪い点あるのかなと。

Q.1試合1試合ごとに、コーチや分析される方から今日はこうだったとか明日からこうしようみたいな話をしながら毎日?

吉田:常にどう改善していくか本当に良い方向に持っていこうと。そこは毎日しっかり準備はできたかなと思いますね。

Q.やっぱりシーズン通して最後の方は結構辛くなってきたということはありました?

吉田:本当に自分の今までやってきた引き出しというか技術をこうしたらどうなるかこうしたら・・・もうどんどん当てはめたけどなかなかうまくいかない日々が続いて、そこはすごくもがいた面でもあります。

Q.日本でいったらもうナンバーワンバッターだったと思うんですけど、そこまで研究していかないと1年過ごせないっていうのはやっぱりレベルが全然違うと感じました?

吉田:やっぱり対戦も少ない中で、バッターは受身になってくるので、ピッチャーの投げる球にいかに打ち返していくか。ただ、受身になりすぎて自分から仕掛けられないとか、タイミング一つ、角度一つ、やっぱり全然違う。みんな個性があって、そういう中で、自分を見失う、じゃないですけど、もう少し自分の形っていうのを、安定させないと自分の成績っていうのも安定してこないのかなっていうのは感じました。

Q.もう一歩安定できるようにするために、これをやっていこうみたいな自分に見えてるものはありますか?

吉田:トレーニングも含めて大きくするとかは別として、しっかりまず体のコンディショニングを1年間整える。大きな怪我はなかったんですけど、休む中で少し試合に影響するポジショニング不足もありましたので。そこはやっぱりずっとベストではいけないと思うんですけど、しっかりとメジャーリーガーとして戦える体っていうのを1年間。162試合全部はちょっと難しいかもしれないですけど。昨季の試合数(140)よりは必ず出たいですし、守備もしっかりやって、チームに貢献したいなっていう気持ちですね。

Q.ケガをせず、IL入りするとかそういうこともなくチームで過ごせたということはご自身の中で自信になった?

吉田:そこはやっぱり日本人スタッフの方も、ボストンにたくさんいらっしゃいますし、GM含め監督、コーチがすごく配慮してくださって、休みも作ってくれたり、そこに関しては1年間本当にサポートしていただいて、感謝してます。

Q.グッズを買いに行っても吉田正尚Tシャツだけ売り切れていて、1年でかなり認識されたんじゃないかなというふうに感じました。

吉田:ただやっぱり、正直自分の中でも、ランナーを置いてのバッティングだったり、チームの勝ちに結び付くバッティングというのはできなかったので、打率、ホームランとか、そこの奥の内容っていう部分で、本当に納得できる打席。ゲッツーも含めて多かったですし、チャンスをもう一つ伸ばせる、広げられる場面、かえす場面たくさんあったんですけど、そういう場面でなかなか自分のバッティングができなかったっていうのは一つありましたね。

Q.じゃあ1年目は満足は全然してない?

吉田:もう満足したら多分終わり、終わりというか、現役としてはもう成長がしづらくなると僕は思います。常に上を目指してじゃないですけども、そういう自分のある程度モットーがありますので、その気持ちは常に持って、生活したいですね。