理不尽な「カスハラ」対策どうすれば?

藤森祥平キャスター:
クレーム対応をした経験のある従業員のうち、64.5%がカスタマーハラスメントを1年以内に受けたという調査結果がありました。
加害者は男性が8割、世代で見ると40代~60代が8割を占めているそうです。社会的な地位や経験があって、自分では分別があると自覚している人でも、気に入らない対応を受けてカッとなってしまったり、ストレスのはけ口にしている傾向があるそうです。カスタマーハラスメントを見たり、聞いたりしたことはありますか。
小説家 真山仁氏:
昔からお店で怒る人は見たことがありますけど、やはりコロナ以降、みんなストレスが溜まっているようなところがこういうふうになってる。逆にいい歳だから我慢してることが多いので、自分が客になったときに吐き出してるんだとすると、問題ですよね。

藤森キャスター:
実際の相談には「土下座を強要された」「2時間にわたる暴言」などがあります。
企業のカスタマーハラスメント問題に対応しているSPN執行役員・西尾晋さんは「ストレス・メンタルの不調で従業員が退職してしまったり、人材不足・企業の競争力に直結する問題」だと指摘しています。
小川彩佳キャスター:
被害に遭った方たちの取材をした喜入さん、どんな声が聞かれましたか。
喜入キャスター:
学生時代のアルバイトでハラスメント被害を受け、それがきっかけで就職活動ではサービス業を選択肢から外したという方もいました。あと、多かったのが、そうした行為を見たことがある。それを見ること自体も不快だという、周りの意見も多かったですね。
藤森キャスター:
そんな声が上がっている中で、東京都が今後、条例を作って禁止事項のガイドラインを策定していこうという方針を打ち出しました。

“罰則は設けない”見通しであるということです。
なぜ、罰則は設けないのでしょうか?悪質な行為には脅迫罪、侮辱罪、偽計業務妨害などで刑法が適用できるということです。

カスハラに詳しい西尾氏は「『カスハラはダメ』というメッセージ効果は非常に高い。しかし、実効性を考えると罰則が必要」だと言います。
喜入キャスター:
取材をしていて感じたのは「カスハラ」という言葉・概念自体がまだまだ浸透していない。「カスハラというのは…」という説明が必要で、カスハラというワードではほぼ、伝わらなかった。
小川キャスター:
メッセージという意味では効果があるのかもしれませんが、東京都の対応はどうですか?

小説家 真山氏:
具体的に「カスハラ」はどうやって定義するのか。例えば、15分以上抗議されたら「カスハラ」なのか。言われた側が、どれくらい傷ついたのかは図れないですよね。そもそも、罰則の前に認定できるかどうかが問題ですよね。どれだけ具体的にできるかというのがないと、被害者にとっては何の意味もないと。
やはり、こういうルールを作る以上「罰則を設けない」というのが、一体、何のためだ?となりますよね。
せめて、都に訴えて、都が認定すれば、都がその人に代わって刑事告訴できるみたいなことをしてあげないと、もうこれは申し訳ないですけど、都のパフォーマンスですか?という感じですね。
本当に親身になっているのか?ということを考えると、これでは全然減らない。「カスハラ」という言葉は有名になるかもしれませんが、誰も救わないのかって逆に言われないのかなと思いますね。














