「煙突男」と聞いて「なんだか懐かしい」と思う方は、60歳以上の人でしょう。じつは煙突男、ひとりではありません。労働争議(など)のたびにあらわれ、世間の注目を集めました。あるときは「英雄」として。またあるときは「お調子者」として。
(アーカイブマネジメント部 疋田 智)

「煙突男」は複数人いる

煙突男でTBSのアーカイブを検索すると、いくつもの煙突男がヒットします。

TBSのライブラリーでは1950年代〜60年代にかけて、「煙突男」で多数の映像がヒットします。

たとえば東宝映画の労働争議、たとえば日雇い作業員たちの待遇改善デモ。そのたびに、なぜか誰かが煙突の上によじのぼり、そこから演説を始めるのです。
演説を始めるだけなら分かります。多くの煙突男たちは、地上数十メートルのそこで籠城をはじめてしまいます。それはいったいなぜだったのでしょうか。

戦後「労働者の権利」が大いに叫ばれた時代でもありました。